意識

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後は……額あてと口布。
隠してるのには訳があるんだろうけど、両方隠すとなるとサングラスとマスク……か?


いや、怪し過ぎる!

私が四苦八苦しているのを笑いながら見ていたカカシは、静かに顔を隠してたものを取り去った。


朱い左目と傷。
鼻筋は通り、形のいい唇。



めっちゃ美形じゃん!!


ったく、何で隠してたんだよ。

マスクいらないよ、サングラスだけでいいよ。

そう思いながらカカシに手渡す。


「なまえ、俺に惚れちゃった?」


バキッ!


本日二度目の蹴り。
しかもかなりの手応え。


又しても脇腹をさするカカシを編集者の待つビルに引っ張って行く。



そして私の目の届く、ミーティングルームの隣の、透明な板で仕切られた部屋に通す。そして暇つぶしの為、パソコンのゲームやら雑誌やらを置いておいた。



その裏では、編集部に私が男を連れてきたというどよめきが広がったが気にせず、私は打ち合わせに入る。すると顔を合わせるなり担当者は


「……もう、吹っ切れたのか?」


この担当者、実は私の従兄。私の過去もよく知ってる。だからこそ痛いとこを突かれ、私は苦笑した。


「いーから打ち合わせしようよ」


余計な事は言うなとばかりに私は先を促す。

でも、この兄ちゃんのお陰で私はいい暮らしができてるんだけどね。



打ち合わせの合間にカカシの方をチラッと見る。

パソコンは飽きたのか、誰かが気を使って持ってきたのか、読書に勤しむカカシ。


何読んでんだろ……。ま、大人しくしてるしいいか。


私は少し安心し、また打ち合わせに戻る。




そして漸く打ち合わせが終わりカカシを呼びに行くと、カカシは切なそうに顔を上げた。



そしてそんなカカシの手には私の詩集……。

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