意識

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なまえは俺にパソコンを教えてくれた。

だけど、初めはよかったけどまだまだだーネ。


そして時間を持て余す俺に気付いた誰かが、お茶と沢山の本を持ってきてくれた。

ん、ありがたい。


俺はその中になまえの本がある事に気付き、手に取った。



俺は目を通していくうちに、胸が何度も締め付けられ、何度も切なさが込み上げてきた。



実体験があってのことなのだろうか……。


もっとなまえの事を知りたくなり、お茶のおかわりを持って来てくれた人に声を掛けた。


その人は少し言いにくそうに答えてくれたが、その内なまえの声が聞こえ、本を閉じると同時に会話も終えた。


そこへ入って来たなまえは何も言わない。きっと聞かれたくない事なんだろうネ。





それからなまえの案内で色んな場所を見て回ったが、はっきり言って驚いた。


いくら世界が違うからといっても、こうも違うものなのか?

軽く眩暈がするヨ。


なまえはそんな俺を気遣い、この間のお礼だと言い、食事をご馳走してくれると言った。


しかしだね、いくらこっちのお金を持って無かろうが女性にご馳走して貰うなんて、俺のプライドが許さないわけで、だから苦肉の策を提案してみたわけだ。


「俺、なまえの手料理が食べたい」


てっきり拒否されると思ったら、意外にもあっさり受け入れられ、早々と買い物をすませたなまえは料理を作り始めた。



男っぽいと思ったら結構手際良い。あっという間にテーブルに料理が並ぶ。


なまえは俺に酒を注いでくれ、なまえの自宅という事もあり、なまえにも酒をすすめる。


そして料理を口に運んだ俺は、その美味さにまた驚いた。


食も進み、二人掛けのソファーに場所を移し、なまえは少しの酒でも酔いが回った様で、お互い饒舌になり会話も弾む。



なまえのほんのり色付いた頬。
潤んだ瞳。


まずいネ。



俺、かなりなまえを意識してる……。

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