モテる男はお辛いですか?D

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そのツラなんとかしやがれ。泣きそうな笑顔なんざ痛々しいだけなんだよ。


三十過ぎの俺の誕生日なんて特別騒ぐ必要もねぇし、何にも要らねぇんだ。



ただ、お前が笑ってればいいんだよ。



高い高い一本杉にあの時の様に登ってみれば、少しはマシになると思ったんだよ。


お前はカカシが居れば笑うんだろうが、生憎俺はカカシじゃない。



俺が一番好きなお前が心から笑った顔は、カカシあってこそだって解ってんだ。



「ねぇゲンマ……」

「何だ?紐役はごめんだぞ?」



木の幹に凭れたまま枝に跨り足を投げ出しているなまえは俯いて首を横に振る。



「じゃあ何だよ?」



俺がそう言うとなまえはある一点を指差し、恐る恐る言葉を口にした。


「……あそこに居るの、カカシ?」



明るい夜に目立ちすぎる銀髪と、そのすぐ側にあるもう一つの人影。


明らかにカカシと更紗姫の姿を映し出している月光が疎ましかった。



「そうかもな」



みるみる曇るなまえの表情と、カカシの居る方を交互に見やるが、カカシと姫さんの様子がおかしい。



カカシが先を行きその後を更紗姫が追い掛けて、また更にカカシが一歩先へ行くの繰り返し。


普通の護衛じゃありえない。



「ゲンマ、何かおかしくない?」



なまえもそれに気付き、身を乗り出して二人を凝視している。


「馬鹿っ落ちるぞっ!」


ったく、しょうが無ぇ奴だな。

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