モテる男はお辛いですか?D

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「喧嘩……かな?」

「気になるならもっと近付くか?」



まぁ相手はカカシだ。俺達がここに居るのも解ってんだろ。


しかし俺の言葉を聞いた途端なまえは唇を噛み、今にも泣き出しそうな顔をしていた。


「どうした?」


俯き、握られた小さな拳には力が込められ小刻みに震えている。



「……二人が喧嘩でも何でもして、更紗さんが帰ってしまえばいいのに……」


俺からしてみれば『何を今更』だった。
あれだけカカシを独り占めされて、今更言う台詞じゃねぇ。寧ろ今まで何で口にしなかったのか不思議な位だ。


「そう思うのが普通だろうが」


しかしなまえはまるで涙を振り払うかの様に顔を大きく横に振り、深呼吸をしてからキッと前を睨んだ。


「任務、任務、任務。任務だから我慢しろ。カカシはそれすらもちゃんと言ってくれない。私はそんなに出来た人間じゃないのに。今だってあの二人が喧嘩してんの?ざまぁみろって内心笑ってるんだよ」


そこまで言ったなまえは一度息を吸い込み、更に心中を吐き出し続ける。


「あーもう何か腹立ってきたっ!今日だって前から言ってたのにっ!もう我慢も糞も無ぇぞバカやろぉぉぉぉ!」


そう叫んだなまえは立ち上がり、一気に木から飛び降りた。



「おい待てっ!やっぱり紐役かよっ!」



小さくなっていくなまえを追い掛けて追い抜いて、両腕を広げれば抱き締められるってのに。


――ドサッ。



「あーすっきりした。ゲンマ、ナイスキャッチ!」


親指を立てて笑うなまえは本の数秒の間にこんなにも表情を変える。


歯の浮く様な台詞だけど、俺はお前の笑顔がみたいんだ。


それが、カカシの為の笑顔でも許してやるよ。

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