宝物置き場

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カカシと夕暮れの街に一歩踏み出せば、腰に回された腕だとか、見上げた時の横顔に私の口元は綻んでいく。


「ねぇ、何処に行くの?」


私の問いに『映画』とだけ答え、カカシは笑顔を落とした。



し、か、し……。


映画館に入り、ちゃっかりパンフレットまで手渡された私は青ざめた……。



『劇場版イチャパラ生唾ゴックン大乱闘の巻』



……ねぇ、嘘だよね?
今までの流れの集大成がコレだなんて……。



「カカシ、これがデート……ってオチ?」



私が横目でカカシを見ると、まだ始まっていないスクリーンを凝視しながらカカシは言った。


「恋人同士で見るには最高でショ?」


もう何も言えまい。
予告から何やらまで真剣に見つめるカカシに何を言えようか……。


これ程までにイチャパラに愛を注いでいるカカシにこれ以上言葉を掛けるのは無粋ってもんだ。


でも、何だろう……。
この拳を振り落としたい衝動は……。


震える拳を必死で押さえ、二時間に渡って続く生唾大乱闘に耐えた。



会場が明るくなってもまだ余韻に浸っているカカシを見ていたら、私の視界がぼやけて見えた。



あぁ、涙がしょっぱいよ。

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