宝物置き場
(7/8)
映画館を出てからも延々と続くイチャパラ講義は有り難くも何とも無い。
ご飯を食べに行ってもこの有り様。最初に会った頃に彼女はいないと言ったカカシの言葉も頷ける。これじゃああんまりだ。
「カカシはイチャパラと私の官能小説とどっちが好きなの?」
冷ややかにカカシに聞いてみると、カカシはうなだれながら悶えている。
「ダメ。どっちも捨てられないヨ!」
おいおい、そんなに究極の選択だった?
私は呆れ顔で店を出るが、カカシはまだ悩んでいる。それが本当に子供みたいで、呆れる程可愛く見えてきたから、私はカカシの前に一冊の本を手渡した。
「何この本?もしかして……」
「急いでつくってもらったから、表紙は無地のままだけどね。感謝を込めて」
すると目を輝かせたカカシが私に飛び付く。
「うわっ!!」
「なまえ大好きだヨ!ありがと」
現金だなぁと思いつつも、そこまで喜んでくれるカカシが嬉しかった。
何度も言うけど、私の世界じゃ全く売れなかったんだからね。
カカシは本に頬摺りしながら歩き、家に帰ってもずっとこの調子だった。
失敗したかな……?。
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