遠回し

(5/7)
二人は私の冷たい視線になど気付くわけも無く、官能小説談義を講じている。


勝手にやってくれとばかりに、私は一人ビール片手にパソコンに向かった。


「ネ?妙にリアリティーがあるのがまた良いでショ」

「確かに。ここなんて特にな。実体験か?」

「ちょっとゲンマ、なまえでそんな想像しないでよネ!」



何でこんなに盛り上がれるんだろうと思いながらも、私はパソコンに向かい今後のスケジュールを立てていると、ゲンマが声を掛けてきた。



「なぁ、次回作のネタはカカシとの実体験か?」


……そこまで想像力乏しくないんで。大体そんな事出来る訳無いでしょ。カカシとの時間は誰にも教えたく無い。


だって、それを知る事が許されてるのは私だけなんだから。



「ゲンマ、弱小作家を侮るなかれ」



そう言って私はカカシの方に目を向けた。

カカシが照れた様に目を細め、ふわっと微笑むのは、私の気持ちを解ってくれているからだろうか。




そうこうしていると、ゲンマはこれから任務だと言って帰り支度を始めるが、かなりお酒が入っていますが大丈夫でしょうか?


簡単な見回りだから大丈夫だとゲンマは手を振るが、カカシも苦笑しながら見送っていた。



ゲンマに何かあったら流石に後味が悪い。


「カカシ、本当にゲンマ大丈夫?」


するとカカシは、『いつもだから大丈夫』と私の頭を撫でながら言った。



カカシの言葉と優しさが心地良く、そのまま寄り添い歩きながらリビングのソファーに腰掛ける。



するとカカシが徐に口を開いた。

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