Last Chance

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ゲンマの言葉が突き刺さる。


ここから這い上がれない言い訳と、カカシを直視出来なかった後ろめたさ。それでもカカシとの未来を望む矛盾と、私のしてしまった選択の曖昧さ。


『さよなら』



言えなかったんじゃない。
言わなかったんだ。


「カカシはさ、きっと私が何を言っても受け入れてくれたと思う」

「……だろうな。だからこうなる事も薄々感じてたんじゃねぇの?」

「うん、でも……」


自分に自信がなかった。クローゼットがずっと繋がったままだという確証は無い。突然でも選べる時間があるかもしれない。


そうなった時どちらにせよ、きっと私は後悔する。そしてその後悔はカカシを傷つける。


一緒に居ても、離れて居ても。




それを聞いていたゲンマは静かに呟いた。



「一緒に居る方が後悔は少ねぇよ」

「それは解ってるってば!」

「じゃあ何でだよ?」


カカシは私の世界じゃ生きて行けない。現実問題、戸籍だって無い。だったら私が行けばいい。それは解ってる。


けど、だからこそ自分に自信が無かったんだよ。



私がそう言うと、ゲンマは寂しそうな目をしていた。



きっとカカシは、もっと寂しそうな目をするんだろうな……。

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