おかえり

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「カカシ、なまえは今でも飯を二人分作ってるよ」


ゲンマの言葉が俺の膿を刺激する。


「……あいつ、自信が無ぇって言ってたぞ」



それは俺も同じだヨ……。でも、だからと言ってなまえを愛していない訳じゃない……。


ただ恐かったんだヨ……。
だからあの手を掴めなかった。



引き止めた手を振り払われる事が恐かった。




愛しているのに……、愛しているからこそ……。
だったら……。


「後悔してんだろ?」



「……死ぬ程ネ」




ゲンマは満足そうに微笑んで、カカシに『行ってやれ』と促した。



なまえ無しでは居られない。


カカシはゲンマに背中を押され、なまえに会いに行こうと決心をした。

クローゼットに足をかけるが、ふとゲンマに聞いてみたくなった。



「……何でゲンマはそこまでしてくれんの?」


するとゲンマは不適な笑みを漏らし、千本を揺らしながら言った。


「なまえの官能小説が読みてぇだけだよ」




カカシは小さくゲンマに礼を言い、クローゼットを潜っていった。







違う世界の似た者同士の
幸せな未来を見たくなっただけだよ。





ゲンマはそう思いながらカカシを見送った。

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