おかえり
(3/6)
「カカシ、なまえは今でも飯を二人分作ってるよ」
ゲンマの言葉が俺の膿を刺激する。
「……あいつ、自信が無ぇって言ってたぞ」
それは俺も同じだヨ……。でも、だからと言ってなまえを愛していない訳じゃない……。
ただ恐かったんだヨ……。
だからあの手を掴めなかった。
引き止めた手を振り払われる事が恐かった。
愛しているのに……、愛しているからこそ……。
だったら……。
「後悔してんだろ?」
「……死ぬ程ネ」
ゲンマは満足そうに微笑んで、カカシに『行ってやれ』と促した。
なまえ無しでは居られない。
カカシはゲンマに背中を押され、なまえに会いに行こうと決心をした。
クローゼットに足をかけるが、ふとゲンマに聞いてみたくなった。
「……何でゲンマはそこまでしてくれんの?」
するとゲンマは不適な笑みを漏らし、千本を揺らしながら言った。
「なまえの官能小説が読みてぇだけだよ」
カカシは小さくゲンマに礼を言い、クローゼットを潜っていった。
違う世界の似た者同士の
幸せな未来を見たくなっただけだよ。
ゲンマはそう思いながらカカシを見送った。
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