おかえり

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俺はなまえの部屋に足を踏み入れた。


しかし、なまえに何から話そう。今更などと思わないだろうか……。



それでも懐かしいなまえの匂いに誘われ、以前の様にリビングに行けば、ゲンマの言う通り二人分用意された夕食の前で、なまえが俯き震えていた。



「なまえ……」



俺の声に驚いたなまえの瞳は赤くなっている。


「カカ、シ……」


そんななまえを見た途端、俺は難しい事を考えるのを止めた。



俺がなまえを愛している事に変わりは無い。
だったら無理矢理にでも貫けばいい。



振り払われても、拒まれても、俺がなまえを愛してる気持ちを疑わなければいいじゃない。


傷付いても、なまえの涙を拭えるのなら……。


俺はなまえに静かに近付き、そっと抱き締めた。


「なまえ、ごめんネ。本当は……ずっとこうしたかった……」



「カカシ……謝るの……、私の方……」



次々と零れ落ちるなまえの涙を指で拭い、そっと唇を重ねた……。



お互いの想いを注ぎ込む様に、何度も、何度も……。



やっぱり、俺はなまえ無しじゃだめなんだ。




唇の隙間から漏れる言葉は同じ。



ただ、愛してると……。

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