研究室

(6/8)
「よし、じゃあ始めようか」


綱手様が戻って来ると、私を椅子に座らせた。


「術中は眠っている様なもんで痛みは無い。長くはかからないが、猛スピードで夢の中を記憶が駆け巡っている感じがするが、少しの間だ、我慢しな」



昔の事なんて思い出すのも嫌なのに、かなり恐いんですけど。


「準備はいいか?」


「いや、ちょっ……」


トンッ――…。


私の言葉を最後まで聞かず、綱手様は私の額を人差し指で小突き、瞬時に瞼が落ちていった。







『だから反対したのよっ!!あんたが父さんを殺したも同然じゃない』


『父さんはお前が賛成してくれたから決心したんだぞ?』


『俺、姉ちゃんだけ置いてくのなんて嫌だよ!』

『なまえ、子供は3人は欲しいな、俺』


『いい子にして待ってろよ?行ってくるな』


『あんたが憎いっ……』


『なまえ……幸せに……してあげられなかったね……』


『クローゼットが繋がったって事でショ?』


『左目の視力は完全に失われました。ご家族の連絡先は……』


『なまえ、俺をちゃんと見てヨ……』



『なまえ……愛してるヨ』



『なまえ、なまえ……』


「なまえっ!」




私が目を開けた時、視界がぼやけていて、それが涙のせいだと気付くのに時間がかかった。


それから、カカシが心配そうに手を握ってくれていた事にも気付いた。

.
109/201

ListTopMain

>>Index