初めての涙

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『乾杯!』と始まったなまえの快気祝い。和やかながら会話にも花が咲き、なまえはいつもと変わらず毒舌だった。


そんな中俺は、なまえに殴られた頬の痛みよりも、なまえを泣かせてしまった罪悪感による胸の痛みの方が何倍も辛かった。



そんなつもりじゃ無かったんだヨ。



こんな言い訳でもきっとなまえは受け入れてしまうだろう。



俺は初めて見るなまえの涙に戸惑った。



「カカシー、何してんの?」


なまえはほろ酔い状態で俺にもたれ掛かってきた。先程の涙なんて微塵も感じさせない。


なまえに心配かけて申し訳ないという気持ちの反面、いつも強気ななまえの弱さに触れて心が温まってしまう。



俺はなまえが此処に居る事をしっかりと感じ取るかの様に、腰に手を回し引き寄せた。



なまえはアンコにスタイルの秘訣を熱心に聞いていて、ゲンマはそれに突っ込みを入れている。



するとなまえがトイレへとふらっと立ち上がった。


「なまえ、大丈夫?あたしが連れてくよ」


千鳥足のなまえを苦笑しながらアンコが連れていく。


流石に女性用トイレには入れないよネ、俺。



なまえとアンコが出て行くと、ゲンマは俺に話し出した。


「なまえに言えよ?あいつすげー心配してたぜ?」


ゲンマの一言に苦笑が零れる。


「俺達にまで口止めさせて、何で言わねーんだよ」


今更言えないでショ?


なまえに涙まで見せられたっていうのに、ただのチャクラ切れで1日寝てただけなんて……。

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