初めての涙

(7/8)
「なまえ、大丈夫?」


アンコに付き添われトイレに着いた私。強くもないお酒に酔い、ヨロヨロと歩く私は何とみっともなかった事だろう。


そんな私を見かねてかアンコは言う。


「なまえ、悪かったね」



アンコは顔を軽く歪めながら、私が気になってた核心部分を話し出す。



「カカシのやつさ、任務中に部下の一人がヘマしてさ。大した怪我こそしなかったけど、チャクラ使い過ぎで1日寝てるハメになってたんだよ」



私は言ってくれれば良かったのに……とアンコに言うと、



「カカシに口止めされてたんだよ。何でか解らないけど、なまえは慣れてないから、って」



私は妙に納得した。何故言わなかったのか。カカシはカカシで、私が世界が違うという葛藤を覚えない様にする為だったんだ。


解り難い優しさ。でもそれに気付いた今はカカシが愛おしい。


私は軽くなった心と足取りでアンコと一緒に座敷へ戻る。



それから暫く私の快気祝いは続いていたが、時間も時間。アンコも相当出来上がっていた為、名残惜しさを感じながらもそれぞれが帰路を辿り始めた。




カカシと並んで歩く。

夜空には雲が厚く覆い、月も星も姿を隠している。


「カカシ、今日はありがと。それとごめんね?」


するとカカシは頬をさすり、優しい笑顔で痛かったヨと呟く。


カカシなら難無く交わせるのに。いつも受けてくれるんだよね。



思わず口元が綻ぶ私の目に自販機が映り、カカシにビールをねだった。


まだ飲むの?と言うカカシに私は言った。



「カカシの快気祝いだよ」

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