モテる男はお辛いですか?@

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カカシはこの日もお姫様の護衛で、私が暇を持て余していた所ゲンマがやって来た。



「なまえ、カカシが居なくて暇だろ?別に遊んでやってもいいぜ?」

「三十路目前男が寂しい事言ってんなぁ」

「うっせーよ。……おっ、あったあった」



ゲンマの目的は私じゃない。この間カカシにプレゼントした非売品の官能小説だ。



カカシが居ると読めないもんねぇ。



ゲンマが読みふけっている様をぼーっと眺めているだけの私。



するとそれに気付いたゲンマは苦笑しながら言った。



「しょうがねぇなぁ。メシでも食いに行くか?」

「そうこなくっちゃ!」


私は餌付けされるが如く尻尾を振りながらゲンマと外へ出た。



茜色の空がカカシの左目を連想させたが、頭をぶんぶんと振って私は勢い良く酒酒屋の暖簾を潜ったその時、勢い余って誰かにぶつかってしまった。


――ドンッ。



「きゃっ……」

「すみません!大丈夫ですか?」



急いで相手に顔を向けた時、あのむせかえる百合の香りが鼻先を掠めたんだ。



「いえ、こちらこそすみませんでした……」



漆黒の腰まである髪を真っ直ぐに垂らし、深緑色の瞳の美しい女性は歌う様にそう言い、百合の香りと共に奥の個室に消えて行った。



私はその女性の残像を見つめたままゲンマに声をかける。



「ねぇゲンマ、あの人って……」

「あぁ、あれが更紗姫だ」




じゃあカカシも来てるんだ……。

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