あの日の事
(5/7)
「なに一人で浸ってんだよ」
一息ついた俺の隣に、そう声をかけたアスマが煙草をくわえたまま座る。そしてなまえ達の方へ視線を向けながらゆっくりと紫煙を吐き出した。
「残念だな、カカシ。なまえは当分戻って来れそうねぇな」
「仕方ないでしょ。同期はみんな中忍や上忍。月に一度帰って来ても皆は任務で第一線。下忍のあいつは気軽に待機所にも来れなかったから、話は尽きないだろうね」
たくさんの人に囲まれ、未だ尽きない話に花を咲かせて笑うなまえを眺めながらそう言うと、隣に居たアスマが笑う。
「紅とアンコが愚痴ってたぜ。なまえが帰って来てもいつもカカシに独り占めされるってな」
「……そりゃ酷い言い掛かりだな」
「よく言うぜ。なまえが帰って来る日は必ず休みを取ってたクセによ」
「……そうだったっけ?」
天井を見上げ、態と惚けた俺に、アスマは煙草を灰皿に押し付けながら続ける。
「随分と殊勝な兄貴だな」
アスマの言葉に一瞬身を固めてしまった俺は、その事をアスマに悟られぬようにとクイッと酒を煽り、否定とも肯定とも取れる無言を選んだ。
そんな俺に何かを察してくれたのか、普段は軽口ばかりのアスマは俺の隣で新たな煙草に火をつけ、ゆっくりと煙を吸い込んでいた。
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