ただの下忍です
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シュッと風を切る音。それと同時になまえが一気に間合いを詰めてくる。
片手にクナイを構え、もう片方の手で印を結びながらなまえは俺の目の前を塞いだ。
そのスピードに一瞬驚くも、すぐにそれが分身で、それを囮にした陽動だと直感した俺は、背後からも迫るなまえの気配にクナイを構える。
陽動作戦は基本だがなまえの事だ、きっと一筋縄ではいかないはずと、後方にも備えつつ素早く周囲を警戒していた。
そして前方の分身がクナイで切り付けてくるのを弾くと、ちょうど重心が乗った足元へと後方から攻撃がくる。
瞬時に飛び退き翻すも、俺が着地した場所には既になまえがクナイを構えて待ち構えていた。
そしてなまえは俺を切り付ける。一切の躊躇いもなく、的確に俺の急所を狙ったなまえは、これが俺の分身であると解ったからだろう。
ポンと音を立てて立ち込める煙りの中でなまえはふと動きを止めた。
「……やっぱりこんなんじゃカカシには通用しないか」
その言葉から推測するに、本気でやるからと言った彼女にはまだまだ余力があるようで、俺はなんとも損な取引をしてしまったらしい。
しかし、俺は顔色ひとつ変えずになまえを見る。
いくら絶妙なタイミングで攻撃を仕掛けられようが、俺は一切顔に出さない。
「俺も甘く見られたもんだね」
俺が理解している自分の力と、お前が想像している俺の力は違うかもしれない。
けれど、少しくらいはカッコつけたいじゃない。
「次はこっちから行くよ?」
左目を隠している額当てに手をかけなまえを見つめると、再度動き出したなまえの動きがよく解る。
なまえの動きだけ、ね。
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