ただの下忍です
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なまえに目配せし、護衛にあたっていた忍に合図を送る。
そして無言の合図に全員が次にするべき事を理解すると、頃合いを見計らって俺達は一斉に動き出す。
まずは依頼人を安全な場所へ移すため、なまえが的確に手裏剣を投げて足止めをする。
そしてその隙に護衛についていた忍二人が依頼人を連れて行ったのを確認後、俺となまえはひとまずその場を一掃した。
「……綱手様の言う通り、結構手強いね」
「まだまだ修業が足りないんだーよ。ほら、とりあえず合流しに行くよ」
木々を渡り、依頼人達の前に降り立つと、中忍と下忍の二人からは狼狽の色が覗く。
「カカシさん……すみません……」
中忍である忍がそう切り出しながら現状を報告すると、依頼人は盛大に声を荒げた。
「まったく、高い金を払って雇った忍がこの様だ!おまけに後から来た上忍はいいとしても、もう一人はさっきの下忍の女ではないか!これではいつまで経っても帰れそうにないわい!」
そもそも自分で蒔いた種じゃないかと理不尽さは否めないが、こんな状況下でもまだ危険区域を突っ切るつもりでいる依頼人にはほとほと困りもんだ。仲間に対する暴言も頂けない。
しかし、俺が口を割るより早くなまえが依頼人に迎撃を仕掛けた。
「ちょっと、おじいさん!それはあんまりです!こんな危険な場所を無謀にも突き進んで無事だったんだから、少しは二人に感謝するべきですよ!」
「フン、減らず口を叩くのならワシを無事にこの道の先に連れてってから言うんだな!」
「あーそうですか!じゃあ今すぐこの辺りを片付けてきますので、謝罪文でも考えて待っててくださいね!」
なまえと依頼人の間に火花が見える。面倒な事とは、まさにこの事かもしれない。
「カカシ!行くよ!」
俺に向き直ったなまえはそう言い放つとシュッと飛び立つ。作戦も何も無いその背中に、最早溜め息しか出て来なかった。
「……隊長は俺だよ」
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