帰郷

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帰ってきて早々これだもんなと、頬を掻きながらなまえが火影室を出ると、そこで丁度アスマと紅に出くわした。


「なまえ!お帰り!」

「紅っ!ただいまー!」


花のような笑顔で近付いてくる紅になまえは思いっ切り手を振る。


「久しぶりー!待ってたのよ」

「ありがとう。やっと帰ってこれたよ……って、どうしたの、アスマ」


久しぶりの再会だと言うのに、紅の後ろでうなだれているアスマになまえが怪訝な顔をすると、くすりと笑った紅が言う。


「アスマってば、綱手様と同じ方に賭けちゃって落ち込んでるのよ」

「賭けちゃって……って、やっぱりまた私を賭け事に使ったんだね……」

「いいじゃない。今じゃ上忍達の楽しみなのよ」


悪びれた素振りも見せず、逆になまえを宥めるかのように話す紅に、なまえは『人事だと思って……』と喉元まで出かかった言葉を飲み込み頬を膨らませ、未だ沈んでいるアスマに目を向けた。


鈍よりとした空気の重さから推測するに、今回の掛金は大分奮発してしまったのだろう。


「ちなみにアスマはどっちにいくら賭けたの?」

「……聞くな。考えたくもねぇ」


眉間に皺を寄せて煙りを吐き出すアスマ。そこには哀愁というものが漂い、留まり何とも弱々しい。


「ま、私には関係ないからいいけどね」

「……うるせぇよ」


綱手と同じ方に賭けたのがよっぽどショックなのか、アスマはそれ以上何も言わなかった。


これでは今更試験を受けるつもりは無いなんて、とても言える雰囲気ではない。
久しぶりの二人との再会は大きな溜め息で幕を閉じた。

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