隙間から覗く君

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「失礼するよ」


襖が滑り良く開くと、酷く冷めた目をしたなまえと、今にもなまえに殴り掛かっていきそうな『噂の彼』がこちらを向いた。

「カカシ……」


俺の登場は予想外だと言わんばかりに、なまえの表情は一変して驚きを見せるが、その『噂の彼』の視線は、俺の上から下までを行ったり来たりしている。

品定めでもしているつもりなのか知らないが、俺は気にも止めない素知らぬふりをしてなまえの隣に腰をおろした。
そして目の前の男に向かって一言。


「で、俺に何の用?」


なるべく抑えたつもりだったが、隣でなまえの肩が一瞬震えた事から、全く抑えられていなかったのだろう。

しかし、この空気が続くか否かはこの男の返答次第。そう思い、この男が口を開くのを待っていた。



「あなたがカカシさん?」

「そうだけど?」


この名前も名乗らない失礼な男にそう素っ気なく返すと、男は何を思ったのか、突然テーブルに両手を付いて頭を下げてきたのだ。


「カカシさん、お願いします!俺のかわりになまえを説得して下さい!」


何も聞かされていない俺は訳が解らず眉を潜めただけだったが、隣に座っていたなまえは男を射抜くような目で見ている。


「あなた、それを言う為に紅にカカシを呼んでくれって頼んだの?」

「そうだよ!お前を説得出来るのはこの人だけだろ?」

男がそう言った瞬間、座敷に渇いた音が響いた。そして、隣には今まで見た事の無い顔をしたなまえが手をあげていた。

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