知らない昨日

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懐かしい出で立ちで俺達を見ているが、なまえの方への警戒も決して怠らない。火影直轄の暗部が一人、不気味なほど静かに俺達の前を塞いだ。


「申し訳ありません。彼女はただ今任務中です。私が危険と判断するまで、一切の手出しは火影様により禁じられています」


その言葉を聞き、ピクリと反応した俺の眉に気付いたからか、この暗部は再度口を開く。


「状況は不利に見えますがこれも作戦の内ですので」


獣面のせいで表情は窺えないが、彼はそう言い切ると俺達に背を向ける。仮にも忍である以上、ここは静観するしかなさそうだ。


そう思った矢先、小さな爆発音が聞こえたので目をやると、なまえが先程まで戦っていた相手がバタバタと倒れ込み、待機していたとみられる暗部二人が 既に敵を拘束していた。


「何が起こったの……?」


紅が不思議がるのも致し方ない。なにしろ一瞬の内に敵が倒れ込んでしまったのだから。


「あれが彼女の戦闘スタイルなんですよ」

「……どういう事だ?」

「彼女はあの水遁の術に綱手様と開発した無味無臭の睡眠薬を混ぜて撒き散らし、そこへ火遁の術を使い蒸発、拡散させるのです」


随分と知った風な口をきく輩だと思いながらも、彼の説明で納得がいった。

簡単な術を使うことで効率よくチャクラを使
える上に、簡単な術だと相手を油断させる事も出来る。気配を消さず、薄くチャクラを纏っていたのは、自分が巻き添えをくわないようにか。

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