絶対的存在

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幼い頃は手を繋ぐことになんの躊躇いも罪悪感も無かった。はぐれないように、何かあったらすぐに守れるように、そんな純粋な気持ちで手を繋いでいた。

今もその気持ちは過分なほど持ち合わせている。しかし、それだけでは無くなってしまった。


振り払われないだろうか。離れてしまわないだろうか。ただ繋ぎ止めておきたいのだと自覚しただけのうちはまだよかった。それを受け入れ、抑えなければならないと気付いたときには遅かった。

忍たるもの、感情を見せるべからず。
忍であるからこそ、真っ黒な欲で覆い潰さなくて済むんだと、何度彼女の隣で思ったことか。


第十五話

絶対的存在

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