約束の口付けを

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そのまま木の葉の商店街を歩いて行くと、団子屋の店先で自来也様がお茶を啜っていた。


あのじいさんがナンパもしないで座っているのが不自然に思えて仕方がなかったが、カカシの足は自然とじいさんの方へ向けられる。



「久しぶりじゃのう、カカシ。嬢ちゃん」


カカシの『お久しぶりです』という挨拶に合わせて軽く会釈をすると、じいさんの頬に真っ赤な手形がついているのが見える。

それにより、やっぱりナンパしてたんだなと、相手女性を気の毒に思いながらも安心してしまった。


「ああそうじゃ。今日はこれを渡しに来たんじゃ」


手に持っていた湯のみを脇に置き、じいさんは懐から何かを取り出しカカシへと手渡す。



それは薄く厚みのない文庫本程の大きさだったが、受け取ったカカシは嬉しそうに眺めていた。



「それじゃワシは取材があるんで行くとしようかの」


「自来也様、ありがとうございました」



スッと立ち上がり、じいさんは含みのある顔で私を見下ろすと、『またな』と下駄を鳴らして去って行った。



「……何、今のじいさん」


「何でも無いヨ」



カカシはそう言いつつも至極ご機嫌な様子で、繋いだ手はいつもよりも大きく揺れた。



新しいイチャパラでも貰ったのかな。



何を貰ったのかは聞かずにいたが、大事そうにポーチにしまい込むカカシの姿を見て、そう思わずにはいられなかった。

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