約束の口付けを
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一瞬で部屋に辿り着けるなんて、本当に凄い事だと思う。それでもその一瞬が待ちきれないほどキスがしたい。
そっと重なる唇は、何度カカシを感じた事だろう。力強く引き寄せられる身体は、何度温もりを感じた事だろう。
お互いの気持ちが同調し合っても、それでも伝え切れないほど溢れる思いがもどかしい。
深く交わる唇を離したくない。そう思った時に、不意に離れた唇が更にもどかしく私を焦がした。
「カカシ……」
そう呟くと、カカシは優しく微笑みながらポーチへと手を伸ばし、先程大切そうにしまい込んだものを取り出した。
「なまえ、これを受け取ってくれる?」
目の前に差し出されたそれは新しいイチャパラなんかじゃなく、『木の葉銀行』と書かれた通帳だった。
「そこに本の印税が振り込まれるから」
「……ありがとう」
今はお金よりキスがしたかったのにと、カカシを恨めしく見上げると、カカシはふっと笑みを零す。
「なまえ、それ、ちゃんと見た?」
「え?だってまだ振り込まれてないん……あっ……」
その時、私の視線は一点に集められ、言葉を発する事も忘れてしまった。
「勝手にしちゃってごめんネ。でも、どうしてもそうしたかったんだ」
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