書庫整理
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これを聞いた時の私の顔は酷かったと思う。
頭から噴き出しそうな怒りを抑えきれず、ゲンマの制止をかいくぐり窓枠に手をかけた。
「おい!止めとけって!あんなのに一々反応すんなよ」
「煩いっ!放せっ!だってあの人達……ってうわっ!」
ゲンマに窓から引き離された反動で私は尻餅をついたが、それでも窓の外に向かって叫んだ。
「全世界の女性官能小説家に謝れこのやろーっ!」
「……ってそこじゃ無ぇから」
「だって許せないでしょ」
ゲンマにまであんな事言って……。
だからゲンマの突っ込みなんて気にしない。叫んだお陰で少しだけすっきりした私は、フンと窓に背を向けて本の整理に戻った。
「お前、本当訳解んねーな」
本の山に手を掛けたゲンマはそう言いながら千本を揺らすから、私はいつかあの千本に照る照る坊主を吊してやろうと思う。
想像したら……ヤバい。込み上げてくる笑いを隠せない。
ゲンマに背を向けて笑いを堪えて本を抱える私に、ゲンマは何を思ったのか『気にすんなよ』と声をかけた。
「あぁ、悪い。今のはカカシに言う台詞だったな」
一瞬で笑いが引っ込む。ゲンマはこれで訳解んないとか言うんだから……。
「大丈夫だよ」
これだからゲンマには中々仕返し出来ないんだよ。
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