忍やってるカカシが好き
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案の定、夜になるとゲンマが私を訪ねて来て、カカシが病院に搬送された事を告げられた。
「連れてってやるから準備しろ」
「……解った」
心の準備の事かと一瞬ドキッとしたけど、ゲンマに手伝ってもらいながら、カカシの着替えを準備して病院へ急いだ。
たぶん、私は病院まで一言も口にしなかったと思う。
「お前、大丈夫か?」
病院の前に来た時、ゲンマにそう言われてやっと気が付き我に返る。
「あ、この顔はね、昨日カカシに強力涙腺刺激剤……」
喉が渇いて言葉が出ない。手が震えて笑えない。どうしたらいいか解らない。ただ、不安を押しやる事だけで精一杯。
「なまえ?」
酷く痛む胸と左目。嫌な過去に呼び覚まされそうになる。
「ゲンマ……、こういうのって、この世界では日常茶飯事なんだよね……」
掠れた声で、やっと絞り出した声で何かを探し求めた。
「……そうだな」
ゲンマの低い呟きを辿りながら、私はカカシの居る病院に足を向けた。
カカシの着替えは重くないはずなのに、一歩一歩が酷く重い。
カカシの存在に押し潰されそうだ。
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