想い、出逢い@

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その日、上忍待機所へ向かった俺は明らかに殺気立っていて、先に待機所に来ていたゲンマはそんな俺を愉快そうにからかう。



「いい大人が六歳のガキに嫉妬するなよ」


「煩いヨ。大体、ゲンマがなまえを手伝いに行かせたのがきっかけなんだからネ!」


「おいおい、あいつが一人で買い物にも行けねぇからって、パシられた俺に言う台詞か?」


嫌みに揺れる千本をへし折ってやりたい衝動に駆られながらも、俺の肩はがくりと落ちた。



本が売れてから出歩くのが大変になったなまえ。酷いときには家の前で待ち伏せする輩もいた為、俺の居ない日はゲンマになまえをお願いした事もあった。

そしてそのお陰もありいつしかほとぼりも冷め、やっと落ち着いてきたのも確かだった。



「その節は悪かったと思ってるヨ。でもその見返りになまえに仕事させるなんて非道いじゃない」


「俺は半日だけ知り合いの店を手伝ってもらっただけだぜ?その後の事までは責任持てねぇよ」



俺の肩は再びがくりと落ち、ヨロヨロと椅子に座り込む。



「なまえ、大丈夫かな……」


「ったく、俺の知り合いの薬屋だってぇのに失礼な奴だな」


キュッと千本を銜え直したゲンマは呆れ顔で背を向け待機所を後にした。


その"知り合い"が気になるんだヨ。

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