想い、出逢い@

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「緑丸ー、今日はどの薬草を持って帰るの?」



私がそう尋ねると、大きなバッグから薬草図鑑を取り出し、図鑑と言うより専門書のような分厚い写真付きの本をライトで照らす。



お互いに難しくて字は読めない。だけど字が読めない変わりに緑丸は写真で全ての薬草を記憶していて、得意気に図鑑を捲り写真を指差すんだ。



若いって素晴らしい。



「今日はこれとこれ。間違えんなよ?」


「あはは、頑張ります」



それからいろんな話をしながら薬草を探す。からかい合ったり、泥まみれになったりしながら、端から見れば姉弟みたいに見えるかなーなんて思いながら。だから日が昇るまでなんてあっという間。



「よし。なまえ、そろそろ店に帰って店番の準備するぞ!ちゃんとついて来いよ!」



小さくても、こういうところはちゃんと男の子。それが何とも憎めない。


「りょーかい。おばあちゃん待ってるから急いで帰ろうか」





朝日を背に、右手に触れる小さな手が嬉しくも寂しく、とても懐かしい。

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