想い、出逢いA

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「なまえ、お店の手伝いは楽しい?」



我ながら遠回し過ぎだと解ってはいるものの、見えない不安に負けた俺。



「うん!すごく楽しい!おばあちゃんも良くしてくれるし、今は緑丸に兵糧丸の作り方を教えてもらってるの」



知らない世界で出来た人との繋がり。なまえはそれを嬉しそうに語る。


「そっか。それならいいけど……何で兵糧丸なんか作ってんの?」


「何でって、カカシに作ってあげたいからに決まってるでしょ」



まーったくこの子ときたら、こういう可愛い事を平気で口にするんだから。


「俺、本気でヤバいかも」

「歳のせい?」

「こらこら!」



何の不安も感じさせないこのいつものやり取りが、今の俺にはとても大切に思う。



それでも時は残酷で、幸せな一時を制圧するかの様に荒々しく部屋のドアが叩かれる。



こんな時間に訪ねて来るなんて、きっとろくな奴じゃないな。




なまえと顔を見合わせてドアを開ければ、渦を巻いた悲しい過去との出会いが用意されていた。

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