想い、出逢いB
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穂積は数ヶ所に軽度の打撲と火傷に肋骨のひび。入院ではなく自宅で安静にしていれば大丈夫との事だった。
「穂積、なまえの事はこっちに任せてゆっくり寝てろ。緑丸はしっかりお父さんを看ててやるんだぞ?」
ゲンマの言葉は多少受け入れ難くも、穂積はなまえの容態が解ったらすぐに連絡をくれという旨をゲンマに伝え、再度頭を下げて緑丸と病院を後にした。
その帰り道、父の様子が可笑しいと感じた緑丸は、子供ながらに父を気遣う。
「お父さん、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ……」
そうは言ったものの、穂積は歩く度に胸を痛めた。
起爆札が爆発した時、彼女は震えていた。当時降り出した雨のせいで湿気ったのか、爆発自体は本来のものよりも小規模だった。しかし雨も降っていた上に連日の霜のせいで地盤が緩んでいる事も考えられる。
直ぐにここから離れた方がいいと穂積がなまえに手を伸ばすと、なまえは言葉を発する事も無く穂積を見て涙したのだ。
穂積はなまえにハッとする。
しかしそれから直ぐに穂積の予感は的中し、音を立てて地面は崩れ、それは土砂となりなまえの足下をもすくっていく。
穂積は咄嗟になまえの腕を掴み上げようとするも、穂積の手は空を切った。
そのままなまえと前のめりになっていた穂積は流れ落ち、穂積は運良く木の根に引っ掛かったが、更に流されたなまえは土砂に埋もれてしまった。
「あの時掴んでいれば……」
そんな穂積に緑丸は言う。
「カカシさんが言ってた。なまえはわざとそうしたんだって……。そうやって自分を助けたかったんだって。……だからごめん、心配するなって……」
未だしとしとと降り続く雨は止むことを忘れてしまったのだろうか。
冷たく、心の水溜まりを増幅させた。
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