想い、出逢いB

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長い沈黙は二人の会話の終わりを意味し、そのまままた時間だけが過ぎていき、もう陽も真上を通り越している。


何も聞かされないまま待つという行為に焦りと苛立ちだけが助長されていく中、ついに治療室のドアが開き、中年と見られる医者が容態の説明に現れた。


「お待たせしてすみません。石や枝がかなり刺さっていたので時間がかかってしまいました。予断は許せませんが、とりあえず容態は安定しました」



それを聞いたカカシとゲンマは胸を撫で下ろし思い切り息を吐いたがそれも束の間。医者からは厳しい答えが返ってくる。


「ただ右腕なんですが……。複雑骨折をしてる上、刺さっていた枝のひとつが右腕を貫通し神経が切断されていました。神経は一応繋がりましたが、回復後も不便を強いられる可能性があります」


医者はそう告げ、もう目覚めてますよ、となまえへの面会を許可すると、頭を下げて奥へと消えて行った。



「……この位で済んで良かったって……思わなきゃネ……」


カカシはそう自分に言い聞かせ、カカシの肩を叩くゲンマに後押しされながらなまえの居る部屋を小さくノックする。


ゆっくりと開くドアの隙間からは、ノックに気付いたなまえがこちらに目を向けているのが見え、カカシはそのままなまえの側へと歩み寄り、やっとその表情を緩めた。



「なまえ、良かったネ。穂積さんも無事だったヨ」


「あぁ、大分前に緑丸と家に帰したよ」



二人がなまえにそう告げると、なまえは哀色の目をして静かに笑った。

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