キャラが濃い



 夏の大会が始まり、私は授業以外で見に行ける日は絶対に青道の試合に足を運んでいた。夏休みに入っても勝ち進んでいれば全校生徒での応援らしいから、今年の夏はもう私は野球部の応援に捧げるって決めてる。去年はこんな暑苦しい中応援とか無理過ぎて行かなかったけれど。でも御幸だってそんな中、戦ってるんだ。私が見に行かないで誰が見に行く!
 と、三回戦を青道が無事突破し喜びに心躍らせながら家のソファーでくだっているときだった。

「アンタ、最近よく野球部の試合見に行ってるわねぇ」
「うんー夏大中だから」
「ついにみずきも野球に興味もったか!」
「まぁね、彼氏が野球部だから」
「は? お前彼氏いたのか!?」
「言ってなかったっけ」
「お、おお…」
「まぁ年頃の女の子だもの、いてる方がお母さんホッとするわ」
「どんな奴なんだ」
「キャッチャーだよ、お父さん知らない? 御幸一也」
「…はは。お前、分かりきった嘘はやめろ。おもんねぇから」
「え?」
「俺の部屋にあった野球王国でも見たのか?確かに先月どっかのページに注目選手で紹介されてたけどよ、なんだなんだ、それで惚れたか?」
「いや見てないけど」
「で、誰なんだ?」
「だから御幸だっていってんじゃん、私の彼氏」
「嘘だろ?」
「ほんと」
「…嘘だろ?」
「ほんと」
「っお前マジかよ! やるな! マジか! オフの日ぜってー家に遊ばせに来い! いつでもお父さん待ってるって言っとけ! な、分かったか! おい聞いてんのかみずき!」



「…っていうやりとりが昨日あった」
「はっはっは、なに? お父さん野球好きなの?」
「すんごい好き。プロも高校も大学も。野球通だから御幸のことも余裕で知ってるらしくてさ、私と付き合ってるって知ってめっちゃ喜んでた」
「まじで? そんな良く言ってもらってるなら会ってみてーわ」
「ちなみにお母さんもその後にその野球王国で御幸の顔見て“よくイケメン捕まえたわね”って褒められた」
「親御さんキャラ濃いな」

160812

   

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