昇降口で、咲也と別れた2人は
教室に向かって歩き出した。

周りからは
「碓氷君と茅ヶ崎さん……絵になるよね…。」
と、女子の話す声が聞こえてきた。

中には
「付き合ってんの?……別れちゃえばいいのに。」
という、過激派真澄ファンの声も
ちらほら聞こえた。

「……少し距離置く…?」

「いい。あんたがいてくれないと俺が困る。」

「困る?」

「…学校では、心が隣にいるのが俺の決まりになってる。勝手に距離置かれると調子狂う。」

「そ、そう……。」

授業と授業の間の休みは
変わらず2人で話をして
移動教室も2人で

はたから見れば確かに
付き合って見えているのではないか?といった感じだった。

ホームルームも終わりいつものように帰ろうとすると
真澄は職員室へ呼び出され
咲也は進路相談との事で
久しぶりに1人で帰ることになったようだった。

「……真澄くん、何したんだろ……?」

ぽてぽてと歩いていると
少し派手めな女子生徒4人に、ぐるっと囲まれてしまった。

「えーっと……何か御用で…?」

「……茅ヶ崎さん、もう真澄くんに近づくのやめてくださる?」

「え?」

ああ、真澄くんのファンだ…と一瞬にして気づいた心は
「わかったよ。」と言いかけた時
脳裏に、今朝の真澄の言葉が蘇った。

≪あんたがいてくれないと俺が困る。勝手に距離置かれると調子狂う。≫

(真澄くんはああ言ってたけど……。やっぱり少し学校では距離置いた方が……。でも……。)

「ちょっと!?聞いてんの!?」

「……っ!はい!聞いてます!…聞いては…います……。」

「じゃあ、明日以降、真澄くんと距離置いてよね?」

「……っ!」

「ちょっとかわいいからって調子に乗んなよ!?」

(あ、私可愛いんだ……ッシャア!!!!)

4人の女子はその場から去った。


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