ノックもせずに
ガチャ!!!と勢いよく103号室の扉を開けると
至が「ノックは必須だろ……。」と睨んできたが
お構いなしに心も至を睨み返した。

「……お姉さん…ここの城の主、俺なんすけど……。」

「知るか。」

「……機嫌悪いけど何かあった?」

「私の王子様は王子様じゃなかった。」

「王子……ああ、万里か。」

「あいつ……潰す。」

「……何があったか聞いていい?」

心は先ほどあった話を全て話した。

「ちょろいって!!!!ちょろいってなんだよ!!!!ちょろいのはギャルゲのイージー攻略ルートキャラだろ!はぁ!?」

「心さん落ち着いて。俺の可愛いしょぼんクッション潰れる。」

「むっきゃああああああ!!!!!」

「でも一瞬でも好きだったんだろ?」

「やかましいわ!!!!」

「………これ、どちらかというと、万里の方が乙女ゲーのエキスパート難易度の彼なんじゃ……。」

「はぁあああ!?」

「すみませんでした………。」

「HELL塔潜る?」

「あ?いいの?よろー。紙装甲でもおk?」

「無理だから……オート援護だけでも火力上げててよ……。」

「おK。」

「「にしても………このNEOって奴……クソ粘着質……!」」

― ― ― ―
― ― ― ―
― ― ― ―

―104号室―

「ハックションっ!!!!!」

「おい、摂津。菌を撒くな。」

「うっせええ兵頭!!!てめぇが俺の空気吸うなハゲ!」

「んだと?」

「やんのかコラ!!!」

その日の夜
103号室と104号室は
とてもうるさかった
(真澄談)

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