後日、本格的に始まった秋組の稽古。
リーダーを決めなければならなかったため、心も
途中から参加した。
「それじゃあ心ちゃんも来たし、改めて稽古を始めたいと思うんだけど、まず最初に秋組リーダーを決めるね。基本的には私に連絡してもらうんだけど、反省会やミーティングのレポート管理はリーダー補佐の心ちゃんがしてくれるので、今日は来てもらいました。」
「よろしくお願いします!」
「今後はリーダーが中心になって随時、ミーティングを開いて、稽古内容を復習したりして欲しいの。ちなみに春・夏組は旗揚げ公演の主演が座長兼リーダーを務めたけど、秋組はどうしようか。」
左京は
「より責任が必要になるし、秋組もその方がいいだろう。」と答えた。
「じゃあ、そうしましょう。この中だと、経験や年齢から言って、左京さんが適任だと思うんだけど…。」
臣も太一も良いと思うと頷くが
左京は自分には伸びしろがないと断った。
それを聞いた心は
「そんなことはないですが、左京さんは経理担当もありますから。」と微笑んだ。
「ありがとう、マネージャーさん。……若い奴にやらせろ。その方がいい経験になるし、チーム全体の成長も見込める。その代わり、サポートはする。」
「……左京さんがいいならそうしましょうか?」
「頼む。」
「じゃあ、誰か、主演とリーダーをやりたい人はいる?」
いづみが4人に問いかけるも誰も手を挙げることはなかった。
「――この4人の中なら、断然俺だろ。監督ちゃんもそれわかってんじゃねーの?」
自信満々に答えたのは万里だった。
演劇の熱量は十座の方が上だと思ったいづみは十座の方を見るも
すぐに目をそらされてしまった。
助けを求めるように心を見ると
こちらはなんとも渋い顔をしていた。
「…?心ちゃん……?」
「いえ……ミーティングの際に毎回奴の書記担当にならなければいけないと思うと自然と体中の毒素が顔に集まっただけです。」
「ば、万里くんと何かあったの……?」
「いえ、大丈夫です……。」
「そ、そう……。」
左京も、立候補した万里に
話しかけた。
「おい、摂津。お前、座長の責任の重さをちゃんとわかってんのか?」
「んなこたしらねーけど……ここにいる誰よりもうまくこなす自信はある。アンタよりもな。」
「……。いいだろう。しっかりやれよ、『リーダー』。」
「……ふん。」
「みんなもそれでいい?」
いづみが3人に話しかけると
臣と太一は「構わない」との事だった。
十座だけ、ただ黙り込んだ。
心配そうな顔をしている
いづみと心に左京は近づき
小声で話しかけた。
「……おい。」
「「え?」」
「摂津はこの中でダントツに芝居への本気度が薄い。リーダーは1つのいいきっかけになるだろう。」
「――。」
「茅ヶ崎も摂津と何かあったようだが、そこは割り切って務めてくれ。」
「わ、わかりました……。」
「おい、何こそこそしてんだよ?」
万里が3人に気づき話しかけたが、左京は
「お前には関係ねぇ話だ。」と突っぱねた。
「……これがいいきっかけになればいいね、心ちゃん……。」
「…はぁ、なるわけないでしょ……。あの男……っ!!!」
「え?本当に何があったの……?」
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