ある日――
MANKAI寮の朝は
大学生組の臣と一成と綴
中学生組の幸と椋
O高の
十座と太一と天馬
花学の
咲也と真澄と万里と心が出るまで
なんとも賑やかだ。
それに加えて、左京や一流商社に勤めている至も
学生ほどではないが
パタパタと出勤をする。
それを送り出すのが、いづみの朝の仕事だ。
「みんな、いってらっしゃい!」
「真澄くん、早く起きないと遅刻しちゃうよ!」
「すぅ……。」
「真澄くん!」
そう言いながら真澄を引っ張るのは咲也だった。
「あ、まだ花咲学園組が……あれ?万里くん??」
「ふぁぁ、ねみ……。」
「まだ準備しなくていいの?」
「3限から行く予定。」
「え?体調でも悪いの?」
「だるい。」
「風邪?熱はかってみる?」
「1限と2限、体育と数学だから。」
「行きなさい!」
そこに身支度を整えた
至と心がやってきた。
「ふぁあ……くそねみ。」
「ふぁぁああ……太陽が痛い……。」
「こっちにも眠そうな人が……って、えぇ!?心ちゃんも!?それに至さん、クマがひどいですよ?歌舞伎役者みたいです。」
「ここんとこ寝てないから。」
「そそ……私も久しぶりに寝坊した……。」
「お仕事忙しいんですか?…心ちゃんも、マネージャーの仕事少し手伝うよ?」
「「『ブラウォー』のランキング争いがはかどる。」」
「……ブラウォー?」
至と心の発言に食いついたのは万里だった。
「スマホゲーム。」
「ゲーム……!?」
「知ってるっす。俺もやってるし。」
「『NEO』ってやつが死ぬほどうざい……アーケードにもたまにいるんだけど、くっそうざい…!」
「それな……今日も仕事の合間に戦績稼がないと……最悪有給使って……。」
「私も食い止めないと……。お兄には負けてもNEOには負けたくない……。」
「あ、NEOって俺っすけど。」
「「は?」」
「ランキング争いってことは、至さんが『たるち』っすか。昨日の深夜、一瞬俺が戦績抜いたっしょ。」
「……まじでお前がNEOかよ。」
「くっそ……抜かす!!!!」
「ん?アーケードもってことは、お前がCocoかよ……強ぇから男かと思ってた。」
「……今日のブラウォーの戦績見とけよ……。」
「ははっ!……神ゲーマーって聞いてぶっ潰そうと思ったのに、なかなかマウントとらせてくんねーんだもん。Cocoも毎回ギリギリだし。」
「「粘着うざい。」」
「ちょ、ちょっと3人とも、ゲームの事で喧嘩なんて――。」
「今日の夜、共闘付き合え。難易度HELLの突入メン足りなかったから丁度いい。」
「はぁあ!?こんなの入れんの!?お兄!?」
「あと1人いなかったじゃん。」
「そうだけどぉ……。」
「了解っす。…つーことでよろしくなチビ!」
「っ!貴様!私の最も気にしているところを!!!!デーカ!デーカ!」
「それ別に悪口じゃなくね?」
「きいいいいいい!!!!!!!!!!」
「あはは、仲がよろしいようで。じゃ、俺行くから。行ってきます。」
「え?あ、いってらっしゃい……。」
いづみが至を見送ると、万里は大きなあくびをしながら
「俺はもう少し寝よ。」と言いながら部屋に戻りかけた。
「ダメ!ちゃんと行かないと卒業できなくなるよ?」
「余裕、余裕。俺、頑張んなくてもテストで点とれんだわ。」
「そんなわけないでしょ!?」
「マジで。常に学年で5番以内だし、十分だろ。」
「ぷっ、3番以内にいないとかクーズ!クーズ!」
「あぁん!?」
「きゃぁあ!!バンリサンコワーイ!」
いづみの後ろに隠れた心をかばいながら
またいづみは話し始めた。
「だからって、出席日数足らなかったらダメだから!」
「ちゃんと計算してるって。」
「そういう問題じゃーー!」
ギャーギャーうるさい3人の元に
左京がやってきた。
「何、朝っぱらから騒いでんだ?」
「左京さん……。」
「摂津、茅ヶ崎、学校は?」
「あ、今から行きます……。」
「別に行かなくても、何でもできるんで、自主休学。」
「何でもできるか……。」
左京はため息交じりに言葉を漏らした。
「また説教っすか。ガッコ行けって?」
「俺も大して行ってなかったしな。お前に説教できる立場じゃない。ただ、お前は勘違いをしている。お前は何でも完璧にできるわけじゃない。そこそここなすだけだ。向上心が低いから全能感に浸れるんだよ。その辺をよく理解しておけ。」
「――。」
「じゃあな。……茅ヶ崎!」
「はい?」
「摂津と同じ学校なら、一緒に連れて行け。」
「はぁ!?なんでチビと行かなきゃなんねぇんだよ!」
「それはこっちのセリフよ!粘着!!!」
「いいからいけ!!!!!!」
「………はい…。」
「――。」
「あ、左京さん、いってらっしゃい!」
「――行ってくる。」
左京を見送った後、万里は
小さく舌打ちをした。
「万里くん、学校!」
「……ふん。」
そう言って万里は
104号室に戻っていった。
「……心ちゃん、学校行かないと……。」
「……えへへ!左京さんに、万里さんと一緒に学校いけって言われましたから!私も3限から行きますね!……。」
心はそういって、自分の部屋に戻った。
「……心ちゃん……。」
しばらくゆっくりした心は
そろそろだろうと思われる時間に
玄関で万里を待った。
「………んだよ、チビ。先に行っとけよ……。」
「左京さんに怒られたくないから。」
「ガキか。」
「どっちがよ。」
「……はぁ、行くぞ……。」
「うん。」
道中、なんの話もすることがなく
ただ黙々と歩くことに
気まずくなった心は
少し歩幅を狭めた。
「……?おい、遅くなってんぞ。」
「遅くしたんです!……私と一緒とか茶化されるでしょ?」
「はぁあ?自分から一緒に行くとか言っといて、んだそれ!?」
ったく……とため息をつきながら
万里は心の横に走っていった。
「はぁ!?くんなし!!!」
「怒られんだろ?左京さんに。」
「……子どもかよ。」
「お前が言うな。」
「………お前とか、チビとかしか呼んでくれないんですね…万里さん。」
「は?」
「名前、あんだけど。」
「………はぁー……。心……。」
「なんて!?なんて!?もう一回!!!!」
「はぁ!?言わねえよ!うっざ!」
「もーいっかい!もーいっかい!」
「…っ!だああああ!くっそ!…心!!!!!これで満足か!!!」
「……これから、ちゃんと名前で呼んでね?万里さん。」
「……わーったよ。」
少しずつ、お互いが歩みよる音が聞こえた
そんな午前中
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