ある日の朝………。


「たたたたたたた大変です――!!」

支配人が小さな3つ折りの紙を持って慌てて談話室に入ってきた。

「見てください!これ!」

「『秋組公演中止シろ。ぢゃないと悲劇が訪れル』……?」

万里が読み上げたのは、間違いなく脅迫状だった。

「今朝、ポストの中に入ってたんです!どどどどどどどうしましょう!?」

「バカバカしい。タチの悪いいたずらだな。」

「作りもちゃちだし、ただの嫌がらせだろ。」

「なんかするってんなら、返り討ちにするだけだ。」

そう言い放った、左京、万里、十座をみて
太一は「頼もしいッス!」と笑った。

「まあ、様子を見たほうがいいかもな。」

胸騒ぎを押さえながら、いづみは
5人と共に稽古に向かった。

その頃、心は次の
舞台で使用する化粧品の買い物に
町まで出ていた。

「うーん……アクションシーンが多いってことは……あ、こっちのアイブロウ少し黒味がつよい茶色だ……これ欲しいな……。…ん?」

ふと窓から外を見ると
いつもの過激派真澄組の女子4人が
柄の悪そうな男に何か話をしているところだった。

「やっべ……今外出たらコロサレル……。」

長居をする予定ではなかった店内で
少しだけ身を隠して
急いで寮へ帰った。

「……っはぁ!はぁ!はぁ!ただいまぁああ!!!」

「…!?ここぴおかえり!どったの!?そんなに息あげて!」

「目付けられてるグループいたから猛ダッシュで帰ってきたぁー……。」

「おつぴこちゃん…!飲み物用意するからテーブル座って待ってて!!!」

「カズくんありがとぉー……。」

「……はい。あんま無理しちゃダメじゃん!何かあったら呼んで?迎え行くし……。」

「うん……ありがとう。」

「最近ここら辺、あぶないみたいだし…カントクちゃんのひったくり事件もあったんだからさ。」

「…そうだね。」

「それに、今日……来たんだってさ。」

「何が?」

「脅迫状。」

「へ!?」

しばらくゆっくりした心の元に
いづみが「ミーティングするから来て!」と呼びに来た。

「はーい!」

秋組用のUSBとノートを持って
レッスン場に向かうと
雄三が見ている劇団の前座で
ポートレイトを披露することになったようだった。

「なるほど……みなさん頑張ってくださいね!で、いつ??」

「2週間後だ。」

「2週間後!?」

「ああそうだ。最後には投票でどのポートレイトがよかったか順位を付ける。」

「……わかりました。では各自で5分に収まるように書いてくださいね!……何かあったら私か、いづみさんに質問で。」

「まぁ、5分くらいのなら余裕っしょ。」

「また万里さんは……。」

いづみと心は顔を見合わせて
眉を下げた。

prev next
back