各自、それぞれの場所でポートレイトを書き始めた秋組。
万里だけ一向に手を付ける気配はないようだった。

ある日の夜

「至さん、心。今からHELL塔行きましょーよ。」

「いいけど。」

「うん。」

「っし。新しい武器ドロップしたんすよ!早くぶっぱなしてぇ。」

「マジか。じゃ、紙装甲で行くからヨロ。」

「お、いいね!私もそうしよ!」

「いや、流石にソロプレイは無理だから。」

「イージーモードなんでしょ?ほれほれ!」

「…ったく。」

談話室に入ってきたのは
臣と十座と太一、左京だった。

「みんなポートレイト進んでるか?」

「大体は終わったッス。でも、本番5日前って厳しいッスよ。」

「俺も、こんなの作ったことないからなぁ。演出の方はなんとなくわかるけど。」

「……演出の方が難しい。」

「わかるッス!」

「十座はどこまで詰まってるんだ?」

「相談していいんすか?」

「内容について話さなきゃ、問題ねぇだろ。なぁ、マネージャーさん?」

左京が心に聞くと
大きな声で返事をした。

「おっけーでーす!!!!」

「……詰まってるっつーか、演出って何すればいいのかわかんねぇ。」

「別に大袈裟なことをする必要はないと思うけどなぁ。」

4人がポートレイトについての話し合いをしている風景を
万里は少し離れたソファーから
横目で見た。

それを見た至が、万里に話しかけた。

「お前は終わってんの?『ポートレイト』だっけ?」

「まだ手つけてないっすわ。」

「マジか。何について書く予定?」

「『人生最大の後悔』だってさ。……私、書くことめっちゃあるわ。」

「まじか。結構難しいお題じゃね?」

「……自分の人生振り返っても、全てが楽勝すぎて大して印象に残ってることないんスよ。」

「マジか。ゲームバランス崩壊してんじゃん。」

「羨ましいわ……。」

「そーそー。スーパーウルトライージーモード。」

「でたよ、万里さんのイージーモード発言……。」

「ははっ!だから『人生最大の後悔』とか言われてもさっぱりだし。ま、適当に盛ってなんとかすっけど。」

「ふーん……まぁ、盛ってもばれんじゃね。普通に。」

「いや、ぜってーうまくやるし。」

「……監督さんとうちの心は騙せないと思うけどね。多分。」

「私も?」

「……至さんがそういう事言うの意外っす。」

「そう?ま、それなりに頑張っとけよ。でないと、ここ潰れるし。」

「頑張んなくてもダントツッスよ。」

「……あ、やべ、死ぬわ。心、回復打て。」

「ごめん私も死ぬわ。」

「ちょっとおおお!?至さん、マジで装備カスじゃないっすか。」

「あ、回復、間に合っ……てない!死んだ!ごめん万里さん!!」

「心ー!!!!」

「だから言ったじゃん。このキャラレベラゲ中。」

「ありえねぇ!」


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