寮に着くと、万里は少し入りにくそうにした。
「……。」
「ほーら!」
軽く万里の背中を心が押すと
なんとかポテポテと歩き始めた。
「「ただいまー!!」」
「…万チャン!帰ってきてくれたんだ!?」
「おかえり、カントク、心、万里。」
「………何しに帰ってきた。」
案の定、左京だけは難しい顔をしていた。
「………。」
「二度とこの寮の敷居をまたぐなと言ったはずだが。」
「あのね、左京さん……。」
「そもそもお前はスタミナ弁当を買いに行っただけだろう、茅ヶ崎!」
「スタミナ弁当はちゃんとサラダパスタと交換してきました!意識の中で!」
「…はぁ!?」
「……万里さんもあれから真剣に考えなおしたんです…だから!」
「簡単にやめるような人間を、仲間として信用できるわけねぇだろう。」
「……。」
少しの沈黙の後、万里は口を開いた。
「お前らの一人芝居を観た。正直負けたと思った。オーディションの時は間違いなく俺がダントツだって思ったのに、いつの間にかすげぇ差つけられてて、焦った。もう一度、今度は本気でやって、お前らに勝ちたい。だから戻らせてくれ。」
深々と頭を下げた万里にみんな驚いた。
それを見た心も、一緒に深く頭を下げた。
「お願いします!!!」
「……心……、なんでお前まで頭下げてんだよ……。」
「私が……私が万里さんの背中を押すって…言ったじゃないですか!」
「……っはは!……バカかよ……。」
「馬鹿ですよ。」
それをみた左京も
一言、頭を上げろと伝えた後
万里に話はじめた。
「……今後はリーダーとして、人一倍責任を果たすと約束しろ。」
「……わかった。」
「兵頭もそれで文句ないな。」
「……っす。」
万里は十座の前に立つと
今まで見たことない、りりしい表情で
十座に話し始めた。
「正々堂々やって、芝居への想いとかいうやつも含めて、お前に完璧に勝つ。」
「……上等だ。」
「あ、そうだ!みんなで風呂入りましょ!」
そう提案したのは、太一だった。
これには、万里も十座も「は?」という表情をした。
「俺ら、これから風呂行こうと思ってたんス。万チャンも十座サンも左京にぃも一緒に行きましょ!」
「ああ、いいかもな。今までみんな微妙に時間ずらしてたし。」
「仲直りは裸の付き合いッス!」
「なんでそんなこと……。」
「あはは!たまにはいいじゃないですか!仲直りとかではなかったですけど、私も最近、お兄と一緒に入りましたよ!」
「「「「「え!?」」」」」
「え?」
「至さん……くっそ…っ、いや、なんでもねぇけど……。」
「????」
「まあまあ!とりあえずみなさんいってらっしゃい!」
いづみがニコニコしながら5人に手を振ると
左京は「他人事だと思って……。」とため息をついた。
prev next
back