朝練にも、積極的に出るよになった万里は
今までとは、芝居への向き合い方が変わってきたようだった。
そろそろ練習も終了に近づいた頃、
幸と心が大きな荷物をもってレッスン場にやってきた。
「「おつかれー!」」
「あれ、幸くんに心ちゃんどうしたの?」
「衣装できたって!」
「試着してみて。」
「もうできたの!?早いね!?」
「今回は既製品のアレンジだったから、かなり前倒しでできた。」
「んで、私は、運搬のお手伝いと、次回のヘアスタイルとメイクのイメージを沸せに付き添い!」
「お疲れ様!……おおー!かっこいい!」
衣装を見たいづみは感動したようだった。
5人も、既製品の頃とは違う印象に関心しているようだった。
「ちょっぴりレトロなかんじがいいですよねぇー!」
「そのままだと舞台映えしないから。」
――――
着用した万里は
「いい感じじゃん。」と気に入ったようだった。
「サイズはぴったりだ。」
「ネオヤンキーとテンプレヤンキーはそこ並んで。」
幸が万里と十座に、そう話すと2人は
頭に?をつけた。
「ネオ?」
「テンプレ……?」
「ヤンキーコンビは並んだ時のバランスが大事だから。……ほい、心。ついでに全体図見ときなよ。」
「あんがとー!一旦写真撮るねー!……あ、肌チェックがまだだった……。」
「……まあまあかな。もうちょっと調整はするけど。」
幸と心が作業中、いづみは
並んだ2人の姿に「バディ感があっていいね!」と
褒めた。
「で、オカンは……。」
臣は「もしかして俺かな?」となんとも言えない表情をした。
「臣さんも一旦写真撮りますねー!……はい!あ、万里さんこっちこっち!」
「ん?」
急いで心の元に行くと
「失礼っ。」と言われながら
両手で頬を包まれた。
「はぁあああ!?///お前何してんの!?」
「え?肌チェック。私これだけで合う下地がわかっちゃう人だから。」
「あ、あぁ…そうなん?びっくりした……。」
「……もしかして、キスされると思った?!キャーバンリサンッタラァ!」
「お前なぁ……。」
「はいはいごめんなさいって!」
そう言いながら心はノートにメモを取った。
「……それ、なに書いてんの?」
「これ?いままでのキャストのメイク。肌荒れ起こしたらいけないからさ、相性のいい化粧品メモしてて……。あとは、その時の役ではどんなものを使ったかとか……。あの時はいいメイクだったのに、次回は違ってて見栄え悪かったって言われたら嫌じゃん?」
「え?」
「みんなが最高の演技をしてるのに、私のメイクで評判下がったら……いやだもん。いつも同じ高いクオリティで、みんなを最高の舞台に立たせたいじゃん!」
「………そうだな……。お前すげぇな。」
「やっとわかった?」
「前言撤回。」
「ちょっとぉ!!!」
話こんでいる間、いづみが何やら大きな箱を見つけた。
「あれ?この箱は何?」
「ああ、それは――。」
そこに現れたのは迫田だった。
「アニキ!瑠璃川の姐さん!ブツが届きやしたぜ!」
「白昼堂々と密輸宣言が……。」
「見てくだせぇ!どれも一級品ですぜ!」
何は大量のピストルが入っていた。
それを見た臣は「本当にまずいやつじゃないっすか!」と
慌てだした。
「ザコ田、紛らわしい言い方するな。小道具だよ。」
「ああ、なるほど!」
「へぇー……すごい精密……。FPSで見る奴あるし、ちょっとあがるね、これ。」
「ほんとだなぁ、よくできてんなぁ。」
「盛った感じも悪くない。」
それぞれが使う小道具を持った万里は
「こーやってみると、完全に犯罪者軍団だな。」と笑った。
「はは、物騒な感じだよな。」
「もう1つ箱あるけど、それは?」
いづみが迫田に問いかけると
「こっちは、これッスわ!」
と箱を開けた。
「……ヨーヨー?」
「こんなの頼んでないけど。」
「おもちゃの銃のサイト見てたら売ってて、懐かしくてぽちっとな〜ってね。」
「経費の無駄遣いすんな!」
左京は迫田の頭をゴツンと殴った。
「この分はお前の給料からひいとくからな。」
「アニキ、殺生な……!」
万里はヨーヨーを手に取りながら
「昔流行ったよね。」と話した。
「懐かしい。」
「お兄はやらなかったけど、私はやったなー……。」
太一はニコニコしながら
「実は俺、めっちゃ得意!」と言いながら
難しい技をどんどんし始めた。
「すごい…!」
「へぇ。」
いづみも左京も太一の器用さに驚いたようだった。
「これは避けられるかわからねぇな…。」
「いや十座、これ武器じゃないから避けなくていいぞ。」
「っす。」
「昔のドラマにそんなのあったけどな。」
「左京さん、若い子はみんな知らないですよ!」
「何……?!」
臣が「うまいな。」とほめると
太一は「昔めっちゃ練習したから。」と笑った。
「へー、俺もやってみよ。」
「万里さんできるのー?」
「へっ、よゆーよゆー!……こんな感じか。……っと。」
「おお、万里さんできてる!」
「すごい!」
「さすがハイスペック。」
「器用なもんだな。」
「まぁね。」
万里は得意げに笑った。
それを太一はただただ見つめていた。
「太一?」
臣が声をかけると、太一は何事もなかったかのように笑った。
「やっぱ万チャンにはかなわねぇなー!俺がどんだけ練習したと思ってんだよー!」
「しょうがねぇだろ。なんでもできんだよ。」
「嫌味だ!」
いづみは、どうも太一の様子がおかしいように感じたが、気のせいだと思うようにした。
朝練が終わり、談話室に戻ると
支配人がいつかのように騒いでいた。
「ど、どうしたんですか!?」
「支配人、朝から元気っすね。」
「……耳が痛ぇ。」
「こ、こここここれ!」
「手紙……?」
その紙は、前届いた脅迫状と同じような形式だった。
十座は支配人から紙を取り、読み始めた。
「『警告は終わッタ。コレより先、実力行使ヲ行う』」
「宣戦布告か。」
「…ふざけやがって。」
万里と十座は怖い顔をし、
臣は悲しそうな顔をした。
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