夜の練習時。
脅迫状繋がりなのか、嫌がらせの電話が頻繁に鳴るようになったため
支配人といづみはそちらの対応に忙しくされていた。
監督不在のまま練習するわけにもいかず、心が久しぶりに
秋組の稽古に付き添っていた。
「……はぁ。」
「心?」
「あ、ごめんなさい!どうぞ続けて!」
段々、万里と十座の掛け合いが上手くなっていく一歩で
セリフとアクションを同時にするという
少し難しい場面で、十座は手こずっているようだった。
中々進まずにいる様子を見て、心は
「今日はここまでにしましょう!」と声をかけた。
「……おい、心!」
「んー?」
「……監督ちゃん大丈夫なのか?」
「あぁー…、うん。少しいたずらの電話が多いみたいだけど……。」
「そっか……。」
「とりあえず組全体ミーティングはいいから、リーダーの記録だけ付き合ってもらっていい?」
「そのつもりで声かけた。」
「ありがとうございます。」
「……とりあえずは、兵頭のアクションのところだよなぁ……。」
「万里さんと十座さんの掛け合いの部分はすごくよくなってきてると思います!」
「そー?サンキュ。」
「本番前には衣装やメイクも合わせての練習が入りますから…少し動きに制限が出ると思うので、今のうちにスムーズにできるようになるといいですね。小道具の扱いももっと自然に見えるといいかもしれません。」
「…………よっし、ミーティングおしまい!俺ちょっとやること思い出したわ!」
「???いってらっしゃい???」
「おー!」
そう言って万里がこっそり向かったのは
中庭で、1人練習をしている十座の元だった…。
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