ピピピピ…と聞きなれたアラームが
朝を知らせた。

んんーっ……と言いながら、ゆっくり伸びをする心は
少し盛り上がった自分の布団を見て、一瞬驚いた。

「……っ!あ、そっか……昨日、万里さんが寝落ちしたんだった……。」

「んー……。」

髪を切りそろえた後、元々おしゃれに気をつかう2人はファッション誌を読み
適度にソシャゲの体力を消費した後、秋組公演が終わったら、少し遠出のデートをしようと計画をたてた。

「……結局、お互い寝てたから何もないけどさ……。」

そう言いながら自分のスマホに手を伸ばそうと万里の顔の横に手を突いた
瞬間だった。

「……止めんなよ……、今日も3限から行こうぜ……。」

「ちょ…!」

仰向けに寝がえりを打った万里は、スマホに伸ばしている心の手を掴んだ。

「はよ……。止めんならスヌーズな?」

「……受験生でしょ?万里さん……。私は出席日数全然余裕だけど……。」

「俺もまだ大丈夫だからさ……。」

しびれを切らした万里は、心のスマホをスヌーズ設定して
布団の中に心を引きずり込んだ。

「ちょちょちょ!!!万里さん!危ないって!」

「今日は朝練もねぇし……少しくらいいいだろ……あと10分……。」

「なんで私のスヌーズ設定が10分間隔って知ってるんですか……。」

「俺がそうだから。」

「知らんがな……。」

「………なぁ?どこまでならいい?」

「は!?」

「とりあえず、ハグはした…手も繋いだ……キスは?」

「…っちょ///な、なに言って…//////」

「至さんから聞いたから…今まで彼氏いなかったって。」

「…あのクソ兄貴何をペラペラと……。」

「……いや、ぶっちゃけ聞いたのは俺だから、至さんは許してやってくんねぇ?」

「え?」

「……心は、大事にしたいからさ……。俺。」

「万里さん……。」

「大丈夫、ちゃんと優しくする。今日はキスで止める、約束すっから。」

「…っ。はい……。」

「ん、いい子。」

万里は触れる程度のキスを、心の額に落とした。

「……ぇ?」

「ん?まだ余裕?…じゃあ……。」

頬、髪、瞼と優しく触れるだけのキスに
心は驚いた。

「万里さんって、がつがつしないんですね……。」

「お前なぁ……。」

「ご、ごめんなさいっ!!!」

「んじゃ、これが今からの最後のキスな?」

「んっ…ん…。」

やっと唇と唇が触れるキスは
少し長く、心は万里の胸をトントンと叩いた。

「ちょ…んっ…くるしい…っ。」

「…学校じゃできねぇだろ……少し長めにしとけって……。」

万里が優しく舌で心の下唇をつつくと
何ともしおらしい声が漏れた。

「ちょ…やめろって……我慢しきれねぇぞ…それは。」

「万里さんのせいでしょ…っ、んんっ……。」

名残惜しそうに、万里は唇を離した。

「……ふっ、かーわいい……。」

「ちょ…!恥ずかしいんでやめてくださぃ……。」

くしゃくしゃと髪を撫でられた心は、気持ちよさそうに
目を細めた。

10分が経った事を知らせるピピピ…という音を
1回…2回…と何度も見送った


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