3人は驚きながら、たどたどしく返事をした。

「いや、だめではないけど……。」

「こっぱずかしいというか……。」

「俺らはアイドルか!!!!」

「えぇー。ファンサの王道だと思ったんだけどなぁ……。」

ほら!と言いながら心は
パチンとウインクをした。

「「「おおー……。」」」

「よゆーっしょ。」

「俺のマネすんな!!!」

「じゃ、じゃあ!俺からやってみますね!」

咲也が張り切ってウインクするも
両目を瞑ってしまうという
アクシデントに見舞われた。

「あはははは!!!咲也!できてねぇぞ!」

「両目!両目瞑っちゃってます!!!」

「ったく……。俺様が手本見せてやるよ……。ほれ。」

天馬は綺麗なウインクをパチンとこなした。

「「「おおー!」」」

「す、すごいね!天馬くん!」

「あれが俳優の生ウインク……。ご利益ありそう。」

「いやねぇだろ!」

「むっ、なら万里さんもやってよ!!」

「はぁ?んなのよゆーだっつーの!」

ほい、ほい!と言いながら
右目と左目でウインクをこなした万里を見て
天馬も「俺だって!」と言いながら両目でチャレンジするも
利目ではない左目に関しては、両目を瞑ってしまった。

一方心は、万里のあまりにも綺麗なウインクに
今だ骨抜き状態だった。

「はぁ……。万里さん……グッジョブです…。今日ならSSR出そう。」

「でねぇからやめとけ。」

「とりあえず、ファンサについてはこれくらいかな?監督にまとめて提出できるように準備お願いするね、心ちゃん。」

「任せてください!……では次は、物販なんですがー……。」

「「「「んー………。」」」」

一度『亀吉まんじゅう』で大コケをしてしまっている物販の件は
慎重に行きたいと、みんな今まで以上に頭を回転しはじめた。

「食べ物系は避けた方がいいですね……。」

「だな、またコケた時に賞味期限ちけぇとたまったもんじゃねぇからな……。」

「監督なら、『レトルトカレーならパウチなので賞味期限はしっかりとれるよ!』とか言いそうだな。」

「余ってもいづみさんが消費班になりそうですし……。」

「「心もな!」」

天馬と万里がハモって言うと、咲也が「あ!」と声を出した。
何かいい案が思いついたようだった。

「クリアファイルとかってどうですかね?せっかく各組かっこいいロゴがあるので!」

「なるー。学生でも社会人でも普通に使うことあるしな。」

「1枚で売ってもいいし、伸び悩んだときは抱き合わせでも販売できますね!」

「一成にデザイン考えてもらうのもありだな。」

「「「「いいじゃん!」」」」

「じゃあこれは、さっそくいづみさんと左京さんに提案する方向で話進めますね!……他、ないですか?」

1つだとインパクトないので……。と苦笑いする心に
万里が「客の男女比ってどーなの?」と質問してきた。

「男女比ですか?この前最新のものでまとめたものが……あ、あった。夏組公演時が最後で女性6の男性4の6:4です。秋組の公演次第では女性比率がもう少し上がるかもしれませんね。」

「なるー……。んじゃ、無難にボールペンもありだな。女性率がもうちょい上がればポーチやミラーなんかもありだろうな。」

ペラペラ話し出した万里を見て
3人はぽかーんとした顔をしていた。

「んだよ……その顔。」

「ば、万里くんすごいね!」

「業者の人間か?万里さん……。」

「やだ……惚れなおす……。」

「はぁ?物販は客やファンに向けてだろうが!客層比率から考えるのは当然だ!」

「「なるほど……。」」

「じゃあ、ボールペンも含めて……そうですね!最初は文房具セットから始めるのもありですね!」

余っても腐らないですし!と心は笑った。

「よっし、じゃあこんなもんか?……天馬はなんかいい案ねぇのか?」

「俺か?そうだな……正直これってのが沸かないな……。」

幸ならブローチとか小物を作りそうだな!と天馬は笑った。

「あと、三角なら確実にさんかくの何かだな!」

「あー確かに!」

それにー…と言いながら天馬は
夏組の各メンバーなら、あれこれと
予想を楽しんでいるようだった。

「天馬くんって、夏組のみんなの事好きだよねー。」

「はぁ!?そんなわけじゃねぇよ!」

「いや、完璧に好きだろ。よく見てるっつーレベル越えてたぞ。」

「みんなの事知ってるって、さすが夏組のリーダーだね!天馬くん!」

「……そ、そうか?春組はどうだよ。」

「春組ですか!?んー……。綴くんならノートやふせんだとか、アイデアが浮かんだ時にぱっと書けるものを考えそうだよね!」

「それな!わかるー!!!!」

「シトロンさんは多分民芸品のようなお人形……。至さんは小さなフィギュアとかでしょうか?」

「あー、確かに至さんならそれ言うわ。」

「真澄くんは……。」

「「「「監督(ちゃん)の何かだな……。」」」」

「秋組はどう?万里くん。」

「んあぁ?うちか?そーだなぁ……。んー……。」

「まだ結成して間もないし、難しいですよね……。」

「まぁ、一つ言えんのは……。あの大根役者は確実に『亀吉まんじゅう』の製造ラインを増やすだろうな。」

「あんなに大コケしてんのにか!?」

「あのバカ舌…パクパク食いやがんだよ……。」

「つーか、夏組は食ったことねぇんだけど、大コケするってことはまずいってことだろ?」

「まずい……。半端なく甘い……。」

「な、なに味なの!?」

「ピーチらしい……。」

「そ、想像しただけで胸やけなんですけど……。」

「ま?そう考えると?俺が退寮できなかったのも、そういう理由もあるし?…秋組は俺がいねぇとなぁ!!!ははははは!」

「万里さん……う、後ろ……後ろ……。」

「んあぁ?んだよ、心。」

「い、いいから!後ろ!」

「はぁ?」

「一度逃げ出した一番の問題児はどこのどいつだ…摂津。」

「………っ!?」

万里が振り返ると、そこには仕事から帰ってきた
左京がいた。

「さ、左京さんっ……!」

「今日のリーダー会議のレポート楽しみにしておくぞ。特に……『秋組』な……。」

「「「「はいいいいっ!!!」」」」

バタンっ!と扉が閉まった後
4人は急いでレポートを書き始めた。

後日、各組では
ウインク練習が流行った……。

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