『ルチアーノ、ランスキー、お前ら2人でコンビ組め。』

『はぁ!?』

『嫌です。』

『そりゃ、俺の台詞だ!なんで、俺がこのドケチランスキーとコンビなんて!貧乏がうつっちまう。』

『こっちこそ、シモの病気をうつされそうだ。絶対に嫌です。』

『俺の方が嫌だ!』

『うるせえ!子供じゃねぇんだから、ごちゃごちゃ言ってねぇで、さっさと仕事行け!』

掛け合いも今までとは比べられないくらいに完璧。
少し後ろに下がっていた左京もしっかりと自分を魅せながらうまく
万里と十座をコントロールしていた。

十座がなかなかうまくいかなかったアクションシーンも
台詞を大切にしながら、きれいにこなした。

中々本調子になれなかった太一のシーンも
ぐっと演技が変わり、役に深みが出たと
いづみも心も驚いた。

何度も足を運んでいる観客も
今までとは違う、太一の演じるベンジャミンに
吸い込まれているのが分かった。

臣の悪役も回数を積むごとに、いい感じにはまっていった。
優しい彼の人柄が時々役にもにじみ出て、いい凄味になっているようだった。

最高の出来の千秋楽は幕を閉じた。

舞台袖では万里と十座がどちらからともなく
ハイタッチをした。

「……勝ったな。」

「……俺がな。」

「俺だろ!?」

「俺だ。」

「あぁ!?」

「あぁん?」

左京が喧嘩の仲裁に入り、2人をどついた。

「ほら、カーテンコールだ。」

「行こう、万チャン、十座サン!」

「――行くぞ、てめぇら!」

「おう。」

舞台にもう一度出ると
全員最高の笑顔でお礼を伝えた。

「あざっした!」

「あざっした!」

「ありがとうございました。」

「ありがとうッスー!」

「ありがとうございました。」

客席からは大きな拍手が
しばらく止むことがなかった。


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