朝のMANKAI寮。
いつもより1時間以上早く起きた万里と心は
洗面台に立って格闘していた。

「……おい心。これでピアスホール見えねぇか?」

「ギリギリね。……終わったらすぐ洗わなきゃ膿みそう…無理やりリキッドファンデ塗りこんでるから。」

「だな。」

「リボンとかこんなに詰めなきゃいけないの?…苦しいんだけど…もはや首輪じゃんこれ。」

「猫のな。」

「私だったら出荷前の養豚だよ。」

「おい、俺の彼女に謝れ。」

「ごめんね、茅ヶ崎……。」

そこに「おはよう。」と言いながら入ってきたのは
至と天馬だった。

「おはよー…。」

「はよっす。」

「ん?万里さんも心も何してんだ??」

「今日、定期的にある服装検査の日なんだよ……。」

「そー。うち一応進学校だし。メンドーだけど適当に流しとかねぇと後の方がメンドーになるから。」

「あー。それで万里も心もピアス埋めてんのか。」

「そーっすよ。んで、ネクタイも規定のシャツも着用なんで、久しぶりに結んでんの。」

「私のリボンは元から作られてるので、横でカチャン!って止めるのだからいいんだけどねー。」

「……心、いつもよりスカート長いな。」

「おい天馬、テメェどこ見てんだよ……。」

「べ、別にそういう意味じゃねぇよ!!!」

「万里、パーカー着ないの?」

「着れねぇっすよ…引っかかって没収されっから。」

「心も今日は黒ストッキングじゃねぇんだな。」

「だーかーらぁー…天馬ぁあああああああ!!!!」

「ひいっ!?!?」

「黒のソックスじゃないと怒られるから…。この間、チェック模様入りの黒タイツで行ったら怒られた。『お前、何穿いてんだ!!!』って。」

「え、追いはぎ…?」

「されはしなかったけど、何穿いてんだっていうから『ユニ●ロのです!』って言ったら笑われた。」

「そこじゃねぇよ!って?」

「そそ。」

「それで2人とも優等生スタイルだったってわけか。理解した。」

「落ち着かねぇ…。」

「おしゃれじゃない…。」

「そうか?花学の制服って元がいいデザインだと思うけどな。」

「O高の学ランもここらへんじゃ珍しい色だと思うよ。」

「それな。」

至は顔剃りをしながら
「そもそも制服はきちっと着ろよ。」と諭した。

「至さんはきっちりだったんっすか?」

「そこそこね。お前やうちのかわいい妹ほどはアレンジしなかったよ。」

「……心のセンスの良さってどこから来てんだよ…。」

「母体にお兄がセンスを置いて行ったから、私が全部持って生まれたんじゃない?」

「すげぇこと言うな。」

「……おい、お兄ちゃん泣くぞ?」

「泣けよ。」

身支度を整えた4人が談話室に行くと
咲也と真澄が準備を終えていた。

「おはよう、万里くん!心ちゃん!」

「今日、制服チェックあるからもう出る。早くしろ。」

「わーってるって。」

「じゃあ花学組はもう出ますね!行ってきます!」

そういうと、談話室にいる
至、天馬、太一、臣、いづみは
「いってらっしゃい。」と
手を振って送り出した。


prev next
back