警察に相談し、一度心がボロボロになった写真を作り上げ
金銭授受の目撃現場にて捕まえると言った段取りになった。
「隣町で、よくお世話した君たちが…次は守る側になるだなんてな…。」
「俺たち、万里の旦……万里さんに助けてもらってから、変わったんっすよ!ポリちゃん!」
「ポリちゃん言うんじゃない!…しかし、ボイスレコーダーで、ちゃんと録っていたなんてすごいじゃないか!」
「俺たち、こんなだから…誤解されることも多いし…自己防衛っすよ。」
「……それじゃあ、摂津くんは話を合わせてもらって…あ、同じ学校の子にも言わなきゃだけど大丈夫かな?」
「大丈夫っすよ。みんな役者っすから。きっちり騙してやりますよ。」
心は、ふとキツネノボタンを思い出した。
「……嘘をつくなら上手に騙して…か。」
「ん?なんだそれ?」
「さっき、道端で綺麗な花を見つけて…その花言葉を教えてくれた人がいたの。でももう1つの花言葉は恵まれた生活と純真で……。」
「なら純真なお前との生活のために…俺が上手く騙してやるよ。」
「え?」
「心を守るための嘘なら、俺は上手く相手を騙せるぜ。」
「……ふふっ。」
聞いた時は、皮肉にしか聞こえなかった花言葉も
可愛く思えたように、心は柔らかく笑った。
警察官監修で、痛々しいメイクをした心は
高架下で撮影を行った。
「……こんな撮影会初めてなんだけど……。」
「すっげぇボロボロだな……。」
「いい出来ですよ!」
警官は親指を立てて、ワクワクしていた。
「んじゃ、姐さん撮りますよー!はい、ポーズ!」
撮られた写真を見て
警察官からは「もうちょっと、こう……生死さまよってる感じの表情もらえますかね?」
と、アドバイスが出た。
「どんなのですか!?」
「こんなんじゃね?」
「いや、万里の旦那!こんな感じっす!」
「君いいね!そんな感じだよ!」
「マジっすか!?」
こんな感じで和気藹藹とリテイクを何度も重ねて
渾身の1枚を撮影したのだった。
翌日、ボコボコになって意識不明の重体…という設定の心は
学校を休み、咲也、真澄、万里は玄関から
役に入り込んだ。
「……じゃあ……行ってくる…。」
「心ちゃん……、早く目を覚ましてね……。」
「うん、起きてるけど。」
「行ってくるな、監督ちゃん……。心を頼んだぞ……。」
「うん!2人で美味しいもの食べるねー!」
元気ないづみと心は
手をブンブン振りながら
「「いってらっしゃーい!」」と送り出した。
「…さて!万里くんから連絡あったら、2人で隣町の高架下まで行くんだっけ?」
「はい!わっくわくですね!」
「あはは……非日常なことが起きてるのって…すごいね…。」
キャッキャと笑う2人を見て、ため息をつくのは
左京だった。
「はぁ………。ったく、何浮かれてるんだ…。今回は相手がたまたま摂津の知り合いだったからよかったものの…。」
「左京さんとか、こういうの得意そうなのに……。」
「監督さん。一般人さんに迷惑かけちゃならねぇんだよ。俺たちは。」
「左京さんって紳士ですよね。」
「そもそもヤクザってのはそういう職業だ!…依頼かけた、その女生徒の家に何らかの問題があれば俺も動けたかもしれねぇけどな。」
「豊橋医院のご令嬢ですか???」
「茅ヶ崎……それ本当か?」
「え、あ、はい……。」
「そこの病院……近々廃院する予定だぞ…。」
「「え!?」」
「経営難で、うちの組からもだいぶ借り入れがあるな。」
「……左京さん、考えてる事何となく察したので先に言いますが…。今回は警察さんいるので、もう大丈夫です……。」
「…ッチ。」
((舌打ちしたぁー……。))
――――
――――
――――
「……っつーことでした、と。豊橋……なんでこんなことした?」
万里が問うと、下唇をかみしめながらポツリポツリと話し始めた。
「…っ、摂津くんが好きだった……。1年の頃、地味な私がハンカチを落としたのに気づいて拾ってくれて、優しく声かけてくれて……。嬉しかった。もっと近づきたかった……。でも摂津くんの周りにはいつもギャルの子がいて、彼女もそんな感じの子ばかりで……。私とは住む世界が違うんだって思ったら悔しくて、それでも諦めきれなかったから…少し遅い高校デビューまでしたのに、私には見向きもしてくれなくて……っ!そしたら!!!!いきなり茅ヶ崎とかいう、今までとは違う、天真爛漫で可愛い清楚系の女子と付き合ってるし!!!しかも本気とか!!!……今までの摂津くんの口から聞いたことない表現されて……羨ましくて……私も摂津くんに愛されたかった……っ!」
「……そっか。それが全部か?」
「……うんっ……。」
「…ごめんな。俺には心しかいねぇんだわ。…仮に、マジで心がいなくなったとしても……お前の事は選ばねぇよ……。」
「……っ…!……ぐすっ…うぅ…ううぅ…あああぁああん!!!!」
「ちょ…万里さん……言い方…。」
「でもよぉ、豊橋……。」
「…っ…?」
「俺も騙して悪かったな……。嘘ってわかってても、あの時心配してくれて、嬉しかった。」
「……うんっ……。」
豊橋は、パトカーに乗せられて
署まで連行された。
残っていた警察官も
「お疲れ様でした。帰っていいよ。」
と6人に伝えた。
「……おう、んじゃ帰るか……。心。」
「……はい、万里さん……。」
「そんじゃ、アン・ポン・タン・バカもさっさと帰れ……なんでお前ら号泣してんだよ!!!」
「「「「万里の旦那あああぁあああ!!!」」」」
「男の中の男っす!!!」
「俺もいつか彼女出来たら、こんな風に大切にしたいッス…!」
「加害者にもフォローできる旦那っ……!すごいですううう!!!」
「うおおおおうおうおおおお!!!!」
「最後もなんか感想言えよ!期待しちまったじゃねぇか!!!!」
prev next
back