「帰ってきた理由ですよね…正直に、小鳥遊社長から連絡がありました。」
「いきなりですか?」
「いきなりです、本当にいきなり。2年ぶりくらいです…社長は私が北欧の大学に通っていることも、記憶ではそうだったような…といった感じであまり自信はなさそうでしたし、私にこうして声をかけることすら、少し戸惑っていらっしゃるようでした。」
「で、何故あなたにマネージメントの声をかけたのです?」
「…私が、歌うことがまだ好きだからです。」
「まだ、歌うことが好き?」
「今はまだはっきりは話せません!ですが!いずれしっかりと皆さんにお伝えします!ですが、これが理由です…私はまだ歌うことも、踊ることも大好きです……。」
「2年ぶりの帰国…歌うことがまだ好き…あなた今20歳って言いましたよね?」
「へ?そうですけど……。」
「あなたまさかっ!」
「ちょ!!!!!!!!!」
「はい?」
「あの…もしその続きをお話されるなら…耳元でお願いできますか…?」
「あ、外部には…でしたよね…では…。」
そういって一織が奏の耳元で話そうとしたときだった。
いきなり部屋のドアがガチャっと音を立てて開いた。
「一織ー!お風呂空いたよー!奏さんもどっかいっちゃったし…ってうえええええええええ!?」
「…はぁ、七瀬さん、バッドタイミングです。」
「いや!だって!ちょ!なんで奏さんと!?うぇ!?」
「騒がないでください七瀬さん!奏さんの頭にごみがついていたので取って差し上げてたのですよ!」
「あ、そっか!なんだー俺てっきり一織がキッキキキ!!!!!!!」
「キスなんかしちゃいないですよ。自分の言葉くらいスッと口から出せるようにしてください。子供じゃあるまいし。」
「いっ!一織には言われたくないな!俺より年下のくせに!」
「1歳だけですがね。」
「っ!!!!!!失礼しました!」
そういって陸は部屋のドアを閉めた。
「はぁ…相手が七瀬さんで助かりました。あのくらい話をそらせておけば何故一緒にいたのかなんて、もう彼の頭の隅の隅にもいませんよ。」
「そ、そうなんですね…。」
「馬鹿で助かりましたよ…そんなところも可愛い人ですが。」
「へ?今最後なんて?」
「いえ!なんでもありません!お風呂空いているそうですよ、お先にどうぞ。」
「え、いいの…?」
「何ですか?もう少し私にいびられたいですか?」
「違ッ!・・・・・・さっきの答えだけどね…。」
「あたりでしょう?大丈夫です、これはあなたと私の秘密ですよ。」
もう一度耳元でささやく一織に奏は赤面した。
「ふっ//////」
「お噂よりも初なんですね。…先ほどの話すべて信じますよ。先ほどはきつい言葉で畳みかけて申し訳ありませんでした。少し心配だったんです。自分の想定してなかったことが起きてしまって。」
「いえ…大丈夫です!それに私!一織くんよりお姉さんですし!」
ふんす!と意気込むと、一織はそうですねと微笑みながら
奏の頭をポンポンと撫でた。
「では先にお風呂どうぞ。外から出るときは皆さんに見つからないように気を付けてくださいね。七瀬さんは巻けても、ほかの方は難しいですから。」
「え?なんで?」
「なんでって…男女が同じ部屋に二人っきりだなんて、二階堂さんあたりに見つかってみなさい!その話を肴に晩酌が1週間つづきますよ!」
「はっ、はいいい!失礼しましたっ!」
奏は一織に言われた通り、外に警戒しながら部屋を後にした。
「……まさか彼女が…思ったよりかわいい人だな。」
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