「つーことで、ソウ。全部吐け!てか話せ。」
「そっ、そんないきなり言われましても…。」
今回は僕、逢坂壮五視点でお話させていただきます。
誰に話してるかだって?そんなの僕もわからないですが、そうしろとどこからともなく言われているのでそうしているまでです…。
そして今の状況を説明するとすれば…
夜、大和さんの部屋に僕は呼び出され、何故か未成年の一織くんもいるのに大和さんはがっつりお酒を飲んでいらっしゃいます。
部屋には3人です……。何故…です。
「…逢坂さん、単刀直入に聞きますよ。奏さ…コーチの事をどう思っていらっしゃるんですか?」
「イチ、そこはもう奏さんでいいと思うぞー。」
「どっ、どうって…?」
「しらを切るつもりですか?ならば、ここにある氷結500ml缶5本をあなたの口に流し込んで、吐かせるように聞き出してもかまいませんよ。」
「イチー、ソウはお前より先輩だぞー。」
「す…すみませんでした…。」
「ははは、一織くん今日は積極的にSだね…。」
正直、僕は苦笑いしかできません。
「ソウ、お前奏の事、ちょっといいなって思ってるだろ。」
「えぇっ!?」
ちょっとどころじゃないです。だいぶいいなって思ってます。
優しい心遣い…柔らかな笑顔…一目ぼれってこの世に存在するんだなって思いました。
だからこそ、最初が肝心だなって思ってお酒呑まなかったんです。
すでに少しのんでましたし…。
本当はお酌してほしかったですよ!
音楽の話を振っていただいて嬉しくて…知ってそうなあたりでTRIGGERの名前出しましたけど、後から帰国されたばかりだということを思い出して
やってしまった…と思いました、少しだけ。
テウの話を出したのは…どことなく彼女が似ていたから。
……顔で選んでいいなーっと思ってるわけではないですよ?!
そうじゃない…脱線しすぎた…。
えっと…大和さん何ってお話されましたっけ?
「えっと…大和さん、もう一度いいですか?」
「だからぁ…。」
「逢坂さん、奏さんの事好きですよね?」
「ッ…//////」
「あたりだな。」
「あたりですね。」
「……そんなにわかりやすいかな?僕。」
「いや、タマやリクは気づいてねえと思うぞ。」
「ただ、六弥さんや兄さんに至っては時間の問題で、そのうち気づかれますね。」
「……はぁ、最近夜、寝る前に二人でホットドリンクを飲むようにしてるんだ。」
「「知って(る)ます。」」
「毎日話をしていると、どんどん…こう、いいなーって思ってしまって…。」
「はい。」
「初めて会ったとき…こう、なんていうか…。」
「びびっときたんだな。」
「……はい。」
「それで逢坂さんにしては珍しく、積極的に声をかけられているんですね。夜の日課も誘われたんですか?」
「あれは…奏から誘ってくれて…。」
「嬉しいんですね。」
「うん…。」
「……甘酸っぱいですね、逢坂さん。」
「部屋が隣ってわかったとき!ポーカーフェイスで隣だね!なんて言ったけど本当はドキドキしてて…。」
「ソウって初だな。経験知識なさそう。」
「そんなことはないですよ!それなりに!」
「「へー」」
ムキになりすぎた…。
「僕自身も初めてだよ…。気になる子がいても声すらかけに行けなかったのに、彼女には……話しかけやすくて…。」
「でもどうされるんですか?私たちはアイドルですよ。アイドルは恋愛禁止なんてよく聞きますが…。」
「んー…いんじゃね?別に。お兄さんはたくさんの経験で人間は育っていくと思っているから、ソウの今の気持ちも大切にしていいと思うぞ。」
「大和さん…。」
らしいです。世の中のアイドルさん…。
「でも、逢坂さんは今の状態のままでいいんですか?」
「今のまま???」
「そうそう、発展せずにずっと片思いでいいのかって事!」
できれば手をつないで、出かけて…恋人になって
結婚して夫婦になってって思ってしまうものではないですか?
好きなんですから…。
でもこの気持ちを伝えて、迷惑ではないだろうか…
今の関係が崩れるのはさみしい…
そもそも出逢ってまだ間もない!
気持ちをもう少し育てるのも必要だと思ってみたりもする。
それに一織くんが言った通り、僕はアイドルだ!
「……我慢はなれてますから。今は…まだ…。」
「ソウ…。」
「我慢…できるんですか?」
「え?」
「イチ?」
「恋というものは突発的で慢性化すると、自己コントロールが難しくなる方もいらっしゃいます。」
「病気みたいに言うなよ…。」
「恋は病とよく言うではありませんか。あながち間違ってはいないと思いますよ。…逢坂さんの気持ちはとても綺麗で素敵ですよ。ただし!IDOLiSH7としては大切な時期を迎えようとしています。くれぐれも外部には勘づかれないように注意してくださいね。…べっ別に応援しているわけではないですけどね!これ以上コーチの事を気にかけすぎて仕事に支障が出ては困るのでお話しているのです!」
「…一織くんの言う通りだね。ありがとう。」
「ソウ、我慢しすぎもよくないからな!」
「…はい!大和さんもありがとうございます。少し気持ちが楽になりました!呑んでもいいですか!?」
「おー!呑め呑め!」
「…ではここから先は大人の時間ですね。私は予習をしなくてはいけませんので……おやすみなさい。」
そういって一織くんは帰っていった。
この後、僕は例のごとく呑みすぎたようで
朝目が覚めると、何故か大和さんのお腹を枕にして寝ていました…。
切腹します…。
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