ライブ中継もはいっているのに、雨が上がる気配もなく
風もどんどん強くなっていた。

「奏コーチ、私は一度スタッフルームに戻りますが…。」

「私はここにいます。何かあったらインカムで知らせますね!」

そういって奏は襟元についているマイクを見せた。

「はい、お願いします。」

紡が場を離れた後、奏はまた
ステージを見始めた。

「……みんな頑張れ…っ!」

ついに最後の曲になった時だった…

曲中盤まで進み、もう少しで曲も終わるころだった。

いきなり音、照明が消えた。


会場はざわざわとし始めた。

「っ!業務連絡です!マネージャー!兆です!客席の安否確認の指示を私からスタッフに出します。IDOLiSH7の安否確認は今から私が向かいます!」

『…連絡です!小鳥遊です!奏コーチお願いします!こちらでは機材の復旧に努めています!。』

「はいっ!」

奏は周りのスタッフに、慌てず慎重に、観客席への確認に回るように指示をし、走って舞台袖まで向かった。

「はぁ…はぁ…みなさん!聞こえますか!?奏です!落雷の関係で機材トラブルが発生しています!」

『そ、そんな!』

「…了解です。環くん!マネージャーからの指示です!今から予備電源で環くんだけピンスポ抜きします!ダンスで繋ぎます!ですが長時間繋ぐには振り付けがたりません!途中でステージ中央に私が移動するので!なんとか見て踊ってください!」

『ん、わかった!』

「あと、壮五さん!音が復旧すると、壮五さんのパートから始まるようにしているそうです!マネージャーからの合図があったらスタンバイお願いします!」

『了解。…奏も気を付けて…。』

その後、奏が急いで中央にたどり着くと
ステージでは綺麗に踊る環の周りで6人が客席を巻き込んで
手拍子していた。

「…っ!すっごくいいですよ!環くん!いきますよ!」

「……お、あれかななだな、あの動きってことは……練習の時のBとCをつなげてってことだな!ok!」

ステージ上でOKサインを出した環をみて、奏は笑いながら
踊るのをやめた。

「はぁ…はぁ…気づいてくれた…!」

すると、照明が一気に紫色に色づき
環とハイタッチをしてステージ中央に立つ壮五へスポットがあてられた。

♪〜
ふと隣見ると
仲間がいるんだ
〜♪

「壮五さんっ!ソロ素敵です!練習よりもずっとずっと!」

奏は感動しながら、紡へインカムを繋げた。

「マネージャー!最高です!お疲れ様です!」

『はぁ、はぁ、はぁ…できました…ちゃんと…。』

「はいできてます!完璧です!」

テンションの上がった奏はその場にしゃがんで
ファンと一緒に手を振った

「ラララー♪!」

そこで聞こえてくる
あれ、演出だったの?
アイナナ最高!

という言葉をインカムから紡に聞かせた。

『よかった……っ!』

雨の中のライブは
ピンチをチャンスに変えて
大成功に終わった。

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