大成功の野外ライブで
短時間ながらも、初めて正式にテレビで紹介されたIDOLiSH7。
知名度は徐々に上がっていき、壮五と環を中心に反響が出た。
街を歩けば、ファンに囲まれてしまうことを、レッスン前の準備体操中に
壮五と環は三月や陸につっこまれた。
「すごいなー、壮五も環も!大人気じゃんか!」
「すごくなんかないよ。中継に映るタイミングがたまたま、僕たちだっただけだから。」
「そんなことないですよ!壮五さんかっこいいですし。歌も踊りもなんでもできるし!」
「天才ボーカルの陸くんに褒めてもらえるのは嬉しいね。」
「天才なんて……。えへへ、ありがとうございます。」
「タマ、どうだった?初めてテレビに出た感想。」
「あんなんじゃだめだ…。」
「でも環くん、よかったですよ!私の合図でちゃんと読み取ってくれて…ありがとうございました!」
「あれはかななが、俺にもわかりやすいように指示出してくれたから。」
そこに紡が書類を持ってやってきた。
「壮五さん、環さん。すみません、ちょっといいですか?」
「…俺とそーちゃん?」
「あ……、はい。」
2人だけ呼ばれたことに疑問をもった一織は、奏に、小声で話しかけた。
「……?奏コーチ、何かうかがってますか?」
「いえ……私は何も聞いてないです…けど…。」
「けど?」
「………大丈夫かなーって?」
「それは、心配のほうですか?それとも、安心の方ですか?」
「心配の方かな?」
すると、レッスン場の外から、環と壮五の怒鳴る声が聞こえてきた。
「……待てって言ってんだろうが!」
「…君こそ、頭を冷やしたらどうなんだ!」
「…や、やめてください2人とも!」
急いで外に出ると壮五につかみかかっている環がいた。
「やばい!つかみ合いになってる!」
「意外だなぁ。このグループ初の殴り合いが、あの2人になるとは思わなかった…。」
「大和さん!なに悠長なこといってるんですか!」
「そうですよ!止めないと!」
「…2人とも落ち着いて!何があったか知らないけど…。」
「タマ、とりあえずソウから手を離せ。マネージャーとコーチを怖がらせるな。」
「私は別に大丈夫ですが…、紡ちゃん大丈夫??」
「はい……。」
環は少しばつが悪そうに手を離した。
「何があった、ソウ。」
「…なんでもない。僕が少し言い過ぎたんだ。」
「はあ?何で隠すんだよ。言えばいいだろ。」
「みんなに話すことじゃない。」
「仲間っつったじゃんか!」
「仲間だからころ、言わなくていいことがあるんだ!」
「……壮五さん、何か隠してますか…?」
奏が壮五に問いかけると、少しうつむいて黙ってしまった。
「俺とそーちゃんに、テレビ出演の話が来たんだ。」
「……2人に?」
一番に驚いたのは、三月だった。
「みんなも喜んでくれんだろ?な?」
環の言葉に、全員の顔色が曇っていくのが分かった。
壮五はその場をゆっくりと離れて、外に出て行ってしまった。
「…っあ!待てって…!」
環は壮五の後ろを追っていった。
2人の影が見えなくなった時だった…。
「……っ!奏!おい!奏っ!!!!」
ドスっという鈍い音の方を見ると、大和に肩を抱かれた奏が倒れていた。
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