久しぶりの休日。
奏は少し早起きをし、マグカップを持ったまま
うとうとと日向ぼっこをしていた。
「ゆっくりできるっていいね……。」
「そうだね。」
「っ!?壮五さんっ!?」
声が聞こえてきたので振り向くと、壮五がニコニコしていた。
マグカップをもって、隣座っていい?
と聞いてくるので、少し隣を広くしてどうぞ、と返事をかえした。
「ありがとう……んー!いい天気だね!」
「そうですね。久しぶりのお天気とお休みがかぶったので、シーツもお布団も全部洗濯したんです。だから、まだ10時なのに眠くて……。」
「ふふっ……僕の肩使っていいよ?」
「だめです!また汚して返しちゃいます!…私、口開けてよく寝てて……。」
「気にしなくてもいいのに……。」
「そうやって壮五さんはすぐ私を甘やかすから駄目です!」
「だめなの?」
「だめです!………壮五さんも久しぶりのお休みですけど、どこかおでかけされないんですか?」
「んー……昼からレコードショップ巡りでもしようかなって思ってたけど、奏とここでのんびりするのもいいなーって……。」
「いいですね!レコードショップ!行きましょうよ!」
「え?でも…僕結構長居してしまうよ?」
「私お邪魔ですかね?もっと壮五さんの事知りたくて……。」
「……その顔は反則だな。」
「へ?」
「いいえ、何も!…では行こうか!帰りには少しカフェによってから帰ってこようか。」
「いいんですか!?」
「みんなには内緒ね!」
「なんで?」
「んー……、みんなうらやましがると思うから。」
「そうですよね……じゃあ帰りに、みなさんにお土産のケーキ買って帰りましょう!」
「そっちかぁー……。」
「え!?」
「なんでもないよ!じゃあ仕度するよ!」
壮五は自分の部屋に、出かける準備をしに戻っていった。
奏も急いで部屋に戻り、出かけ用の服に着替えた。
「……お待たせしました。時間かかってすみません。」
「大丈夫だよ。わざわざ着替えたんだね、さっきの服もよく似合ってたけど、今のももっと似合ってるよ。」
「壮五さん褒め上手ですね。」
「そんなことないよ、もっと気の利くことが言えればいいんだけど……。」
「今のままでいいんですよ、壮五さんらしくていいじゃないですか!」
奏は、淡い紫色のアンクルバンドのついたパンプスを履いて
さぁ!行きましょう!と壮五の手を引いた。
「はっ、すみませんっ!手ひいちゃってて…!」
「いいよ、……人気が多いところは難しいけど、今はまだだれもいないし、少し手つないであるこうか。」
「そんな!恐れ多いです!」
「いやだった?」
「いやじゃないです!」
「じゃあいいね!……なんかデートみたいだね。」
「デッ!!!!」
「ふふっ、顔真っ赤だね!」
「笑わないでください!免疫ないんですから!」
「こんなにかわいいのに…今まで恋人とかは?」
「いないですよ!……青春時代はそんなのは全部禁止されてましたし、大学に行っても自分のいいなって思う人はいなかったですし…。」
「そうなんだ……。」
「壮五さんはどうなんですか?」
「僕?んー……秘密。」
「えー!ずるいです!自分だけ聞いといて!」
「ふふっ、ごめんごめん。僕も男だからね、気になる子がいたこともあったよ。」
「そうなんですね…。」
「でもその人は絶対、僕には手の届かない人だったけどね。」
「どういうことですか?……まさかっ、この世にはもう…。」
「いると思うよ!?……今どうしてるかは知らないんだけどね。アイドルだったから、彼女は。」
「…?じゃあ壮五さんも今アイドルじゃないですか。見つけやすい環境になりましたよ?」
「そうなんだけどね……。」
「壮五さんは、その人のどんなところが好きだったんですか?」
「…僕に自信をくれるところ、輝きを分けてくれるところ……見た目とは違って、きっと優しくて綺麗な気持ちを持っていて、芯のある女性なんだろうなって感じたから…。」
「見た目???」
「見た目はね……ちょっとギャルだった。」
「壮五さんもギャル好きになるんですね…意外…。」
「ははは…、でも彼女も好んでる感じではないなーって思ってたけど…どうなんだろ?」
「ビジネスギャル???」
「そうそう!ビジネスギャル!そんな感じがした…。」
「へぇー……いいなその人は。」
「え?」
「壮五さんにそんなに思ってもらえるなんて、幸せ者ですね……。」
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